これは世紀の対戦とも言われる歴史を刻んだか瞬間だったのかもしれません。メジャーリーグの歴史の中で、スイッチピッチャー対ヒッターが対戦するなんて、時代背景が違えばドカベンの「わびすけ」が?全米メジャーデビューしたような・・・漫画『ドカベン』で木下次郎(通称わびすけ)両投げの投手が、主人公の山田太郎が苦しめられたシーンを思い出します。
ニューヨークでは19日(日本時間20日)、ヤンキースに入団した両投げ投手が両打ち打者とマイナーリーグで対戦。投手が投げる手、打者は打席をクルクルとかえて審判を困らせるという、まさに漫画のような“スイッチ対決”があった。 19日に衝撃のデビューを果たしたベンディット。指部分が6本ある特注グラブで左右から投げ分ける。いま、全米はスイッチピッチャーに大騒ぎとなっている。 話題の主は、ヤンキースが今月6日のドラフト20巡目(全体620位)で指名したパット・ベンディット投手(22)。本来は右利きだが、父親の指導で3歳から左投げも始めた。日本のミズノ社に国際FAXを送り、ドカベンで“わびすけ”が使っていたような両手投げ用のグラブを特注して練習に励んだという。
メジャーで1900年以降、左右で投げた投手は1995年エクスポズ(現ナショナルズ)のグレッグ・ハリス投手だけ。ベンディットの昇格が近づけば話題になるだけでなく、ルールでも論議を巻き起こしそうだ。 リトルリーグ時代は相手から双子投手と間違えられ、高校時代は左で投げた翌日に右で登板したこともある。右ではMAX146キロの速球と大きなカーブが武器の本格派で、左はサイドからのスライダーが決め球の軟投派だ。 全米に映像が流された問題の試合は、ヤ軍傘下の1Aスタテンアイランドでのデビュー戦だった。九回に登板。二死一塁で両打ちの指名打者を打席に迎え、2人のイタチごっこが始まった。 ベンディットは指部分が6本、捕球網が2つある特注グラブをはめ替え、打者は左右の打席を往復…。米大リーグでは「1打席中に打者も投手も左右をかえられるのは1度だけ」という規則になっているが、どちらが先に決めるかは明記されていない。この日は球審が打者に選択を指示。右対右となり、ベンディットが三振を奪って歴史的なスイッチ対決を制した。
パット・ベンディット(Pat・Venditte) 1985年6月30日、米ネブラスカ州オマハ生まれ、22歳。本来は右利きだが、父親の指導で3歳から左投げもスタート。フォームを安定させるためアメフットの球を左右の足でける練習もしていた。クレイトン大入学時は騒動になることを危惧(きぐ)した監督が公式戦での両投げを禁止。2年時から許可された。昨季ドラフトでヤ軍から45巡目(全体1345位)で指名されたが、入団せずに大学でプレーしていた。1メートル85、86キロ。
1985年6月30日、米ネブラスカ州オマハ生まれ、22歳。本来は右利きだが、父親の指導で3歳から左投げもスタート。フォームを安定させるためアメフットの球を左右の足でける練習もしていた。クレイトン大入学時は騒動になることを危惧(きぐ)した監督が公式戦での両投げを禁止。2年時から許可された。昨季ドラフトでヤ軍から45巡目(全体1345位)で指名されたが、入団せずに大学でプレーしていた。1メートル85、86キロ。