マイクロソフトの「WindowsXP Service Pack 3(XP SP3)」は、XP日本語版の発売(01年11月)から約7年、そして「WindowsXP Service Pack2(XP SP2)」のリリース(04年9月)から約4年ぶりとなる大型のアップデート。
マイクロソフトはXP SP3に、現時点でリリースしている更新プログラムやセキュリティーアップデートをすべて含めた。当然、XP SP1とXP SP2で追加した修正点も含めており、無印のXPにXP SP3を適用すれば最新の環境になる。SP3のインストールは、画面のウィザードに従うだけで簡単に行える。導入にかかる時間は、セットアップファイルのダブルクリックから再起動してSP3の適用が終了するまで、約20分程度だった。 OSの状態は最新になるがウェブブラウザーの「インターネットエクスプローラー7(IE7)」やメディア再生ソフト「ウィンドウズメディアプレーヤー11(WMP11)」はインストールしない。 この最新サービスパックでXPがどう変わるのか。 そして約1カ月前にリリースされ、パフォーマンス面の改善が著しい「Windows Vista Service Pack 1(ビスタ SP1)」にアップグレードするよりも、やはりXP SP3にとどまった方がいいのか。 米マイクロソフトは4月29日にいったんXP SP3とビスタ SP1の公開を取りやめている(5月6日に再開)。これは同社の中小企業向けチェーン店管理ツール「Microsoft Dynamics Retail Management System(RMS)」とに互換性の問題がみつかったためだが、「該当するソフトウエアを使っていない一般ユーザーにはまったく関係ない」(マイクロソフト広報部)ということなので、仮に両OSをアップデートしていたとしても影響はない。 ■XP SP2とSP3、なにがどう変わった? マイクロソフトはXP SP3で6種類の新機能を追加した。その内容は、企業内のネットワークセキュリティーポリシーに合致していない設定のパソコンをアクセス不可にする機能、暗号化機能の強化など、企業ユーザーやソフトウエア開発者向けの機能がほとんどで、個人ユーザーには関係がないものばかりだ。
■Windows XP SP3で追加した新機能 NAP機能 企業が作成したネットワークポリシーに準拠していないパソコンのアクセスを制限できる機能。ビスタやWindows Server 2008にも搭載する セキュリティーオプションの説明を改善 グループポリシーエディタのセキュリティーオプションで、設定に関する詳しい説明を表示するようになった 管理者とサービスポリシーのためのセキュリティーを強化 企業向けのシステム管理ソフト「System Center Essentials」上で、XP搭載マシンを管理する場合のセキュリティーを強化。 ブラックホールルーターの検出機能 ネットワークの中でパケットを自動的に破棄し、通信障害の元凶になっているブラックホールルーターを検出する機能。設定はデフォルト状態でオンとなる。 マイクロソフトカーネルモード暗号化モジュール カーネルモード(ハードウエアとメモリーに直接アクセスできる実行モード)で動作するソフトウェアベースの汎用暗号化モジュール ライセンス認証方法の変更 ビスタと同様にプロダクトキーを入力しなくてもOSのインストールを完了できるようにした。