グリッドは、今シーズン初ポールを獲得したライコネンが先頭、その隣には、今シーズンここまで不調だったルノーのアロンソが、地元GPでフロントローに並ぶ。グリッド上のクルマのタイヤウォーマーが外された。全車ソフトタイヤを履いている模様。
フォーメーションラップがスタート。すべてのクルマがトラブルなくグリッドを離れた。
クルマの隊列がホームストレートに戻ってきて、1台ずつグリッドに並ぶ。アロンソがコースアウトして芝生の上を走行しているリプレイが流れた。
シグナルが消え、レースがスタート。ライコネンが先頭、マッサが2番手にあがり、アロンソが3番手で1コーナーを曲がる。後方でスーティルとヴェッテルが接触、スーティルのクルマがかなり壊れている。ハミルトンが4番手に上っている。
ここでセーフティーカーが導入される。スーティルのクルマの撤収を行う。
1周目を終えた時点での順位は、1位ライコネン、2位マッサ、3位アロンソ、4位ハミルトン、5位クビサ、6位コヴァライネン、7位ハイドフェルド、8位ウェーバー、9位トゥルーリ、10位ピケ、11位ロズベルグ、12位バリチェロ、13位バトン、14位中嶋、15位フィジケラ、16位クルサード、17位グロック、18位ボーデ、19位デビッドソン、20位佐藤となっている。接触したスーティルとヴェッテルはリタイヤ。
2周目、セーフティーカーのランプが消えた。2台のフェラーリが先頭で、リスタートを迎える。
レースリスタート。大きな順位の変動はない模様。
5周目、ピケがコースオフ。後続のクルマにどんどん抜かれている。10番手を走行していたピケは、これで18位まで順位を落とした。セーフティーカーが入り、隊列が詰まっていたのが災いした格好。
6周目、トップのライコネンと2番手のマッサの差が1.7秒。ライコネンのラップタイムは早くも1分22秒台に入っている。
7周目、後方では19番手のデビッドソンとその前を行くピケの差が3.6秒にまで開いている。
8周目、ピケがストップ。ボーデをインからオーバーテイクしようとして接触したもの。ボーデはなんとか走行を続け、ピットへと戻る。ボーデはピットでタイヤ交換、フロントノーズも交換している。しかし、左フロントのサスが壊れていて、レースを続けることができず、ここでリタイヤ。
8周目を終えたところでデビッドソンがピットイン。トラブルのようで、クルマはガレージへと押し戻される。
10周目、ライコネンがほとんど毎周ファステストを更新しながらトップを快走中。トップのライコネンと2番手マッサとの差は約3秒にまで広がっている。
11周目、デビッドソンがすでにクルマを降りている映像が流れる。
13周目、10コーナー付近に黄旗表示。
13周目にライコネンは1分22秒178のファステスト。どんどんペースが上っている。
15周目、ライコネンは1分21秒971のファステスト。いよいよ21秒台に突入した。
16周目、ルノーのクルーが動き出す。やはり真っ先にピットインするのはアロンソか。
アロンソがピットレーンに入り、ピットストップを行う。第2スティントもソフトタイヤ。アロンソはバリチェロの後ろ、11番手でコース復帰。アロンソのストップは9.3秒だった。
17周目、ライコネンは1分21秒827でまたファステストを更新。トップのアロンソと2番手マッサとの差は3.6秒、その6.8秒後方にハミルトン。
19周目、13番手を走行中の中嶋が前を行くバトンに迫っている。
19周目、マッサがピットイン。8.1秒のストップで、ソフトタイヤを装着してコースへ。マッサはトゥルーリの後ろ、8番手でコースイン。
20周目、ライコネンがピットイン。8.2秒のストップでソフトタイヤを選択。ウェーバーとトゥルーリもピットイン。
20周目、佐藤がピットイン。
21周目、ハミルトンとクビサが同時にピットイン。ハミルトン、クビサの順でコースへと戻る。
22周目、トップを走っていたコヴァライネンが9コーナーでコースアウトしてクラッシュ。頭からタイヤバリアに突っ込んでいる。高速コーナーなので、かなりのスピードが出ていたものと思われる。
リプレイを見ると、直前に何か部品が飛んでいるような様子が見られた。
各車1回目のピットストップのタイミングだが、やはりここでセーフティーカーが入る。各チームの作戦に大きな影響があるものと思われる。
コヴァライネンのクルマはかなりの勢いでタイヤバリアにめり込んでいる場外で、ドライバーの様子が心配される。
コヴァライネンが高速クラッシュ、メディカルカーで運ばれる
スペインGP決勝で、マクラーレンのヘイッキ・コヴァライネンは22周目に高速クラッシュを喫し、メディカルカーで搬送された。コヴァライネンはターン9に進入した際に左フロントタイヤがパンクし、コーナーを曲がりきれず高速走行のままタイヤバリアに突っ込んだ。
コヴァライネンのクルマはタイヤバリアにめり込んだまま停止し、すぐさまコースマーシャルとメディカルカーが駆けつけた。コヴァライネンはクルマから運び出され、ストレッチャーに乗せられてメディカルカーで搬送されたが、手を挙げて意識があることをアピールした。
しかし、大破したクルマはフロント部分のモノコックが破れて中が見える状態となっており、彼の下半身への怪我が心配だ。
その後、コヴァライネンはヘリコプターでバルセロナ近郊の病院へ運ばれた。
24周目、セーフティーカー中だがハイドフェルドがペナルティ覚悟でピットイン。燃料が持たないドライバーは、これから判断が難しい状況となる。
25周目、コヴァライネンのクルマがようやくタイヤバリアから引き出される。コース脇にはメディカルカーも待機している。ピットレーンはオープンになっていないが、レッドブル、ウィリアムズなど、多くのチームのピットクルーが待機している。
25周目、ようやくピットレーンオープンの表示。ここからは、ピットインして給油することが可能になる。
26周目、バリチェロがピットイン。中嶋もピットへ。
26周目、ピットアウトしたばかりのバリチェロがフロントウィングを壊している。バリチェロのクルマは外れたウィングが右フロントタイヤに挟まって、走行が不安定な状況。
リプレイによると、バリチェロはピットアウトするときにすでにウィングが壊れていた様子。ピットストップ時のトラブルだと思われる。
バリチェロのウィングがとうとう脱落。バリチェロは再びピットへ。バリチェロに対して、ノーズ交換、給油、そしてタイヤ交換が行われた。
27周目、コヴァライネンのクルマがクレーンに釣り上げられて撤去される。フロント部分はモノコックが破れて外が見えているような状況。
リプレイで、ストレッチャーに乗せられたコヴァライネンが手を上げてファンに無事を伝える様子が映し出される。事故は、左フロントタイヤ、あるいはサスのトラブルが原因とみられる。
28周目、セーフティーカーのランプが消え、次の周回からレース再開となる。
29周目、レース再開。ライコネン、マッサ、ハミルトン、クビサ、ハイドフェルド、アロンソの順でコントロールラインを通過していく。中嶋が10番手、佐藤が11番手、全16台がレースを戦っている。
31周目、ハイドフェルドに10秒ストップペナルティ。セーフティーカー中の給油に対してのもの。セーフティーカーのために隊列が詰まっているので、この10秒ストップによって最後尾に下がるのは避けられない。
33周目、ハイドフェルドがペナルティのためにピットへ。約30秒のロスになるので、これで最下位となる。
35周目、ここでアロンソがスローダウン。エンジンから炎と白煙が出ている。4コーナー手前、地元スペインのファンの前で、アロンソがゆっくりとクルマから降りる。
37周目、バリチェロもとうとうクルマを降りてリタイヤした様子が映し出される。これで残っているのは14台。中嶋が8番手、佐藤が9番手を走行している。
38周目、佐藤が2回目のピットイン。佐藤はハードタイヤを装着してコースへと戻る。トラブルがあったのか、15.1秒の長いピットストップとなった。
40周目現在、トップのライコネンと2番手マッサの差は3.6秒。ライコネンは今日は安定して速い。
ここまでの順位は、1位ライコネン、2位マッサ、3位はミルトン、4位クビサ、5位ウェーバー、6位トゥルーリ、7位ロズベルグ、8位中嶋、9位フィジケラ、10位バトン、11位クルサード、12位グロック、13位ハイドフェルド、14位佐藤となっている。
アロンソ、バリチェロ、コヴァライネン、デビッドソン、ボーデ、ピケ、スーティル、ヴェッテルはリタイアとなった。
42周目、7番手を走行していたロズベルグがエンジンブロー。ホームストレートでクルマを路肩に寄せてストップしている。これで中嶋は7番手に浮上。
44周目、8番手を走行するフィジケラにバトンが迫る。どちらのチームも今シーズン初ポイントをかけて戦っている。
45周目、フィジケラがピットイン。8.9秒でコースへ復帰。
45周目、マッサが1分21秒801のファステスト。
46周目、ハイドフェルドがピットイン。7.1秒でハードタイヤを履いてコースへと戻る。
47周目、マッサがピットイン。その間にライコネンが1分21秒670でファステストを出す。5位のウェーバーと6位のトゥルーリが同時にピットイン。
48周目、ライコネンがピットイン。クビサとハミルトンもここでピットイン。クビサとハミルトンのピット競争は、ハミルトンが前で順位は変わらず。
これで1位ライコネン、2位マッサ、3位ハミルトン、4位クビサという順位はピットストップでも変わらなかったことになる。
50周目、コヴァライネンを乗せていると思われるメディカルへリがサーキットを後にする様子が映し出される。大きなケガがないことを願いたい。
50周目、7位ウェーバーと8位クルサードが1秒以内でチームメイト同士の争いをしている。また、11位フィジケラの0.3秒後ろにハイドフェルドが迫っている。ニック・ハイドフェルドの方が1周あたり0.4秒程度速いが、なかなか抜くことができない。
51周目、中嶋が5番手を走行しているが、バトンが1周あたり0.8秒速いペースで追い上げている。その差は3.7秒。この2人はあと1回ピットストップを行う必要がある。
52周目、中嶋が2回目のピットイン。グロックもピットへ。中嶋は6.9秒で作業を終え、コースへ。
53周目、クルサードがピットイン。
54周目、クルサードとグロックが接触、グロックはフロントウィングを破損してピットへ。トゥルーリもこのタイミングでピットに入っており、大きなタイムロスとなる。クルサードも先ほどの接触でタイヤを傷めており、左リアタイヤがホイールから外れている。
54周目、バトンがピットイン。中嶋との位置関係が気になるところ。
55周目、ハイドフェルドがようやくフィジケラを抜き、10番手に浮上。
56周目、クルサードが3回目のピットストップを行い、破損したタイヤを交換。バトンはピットストップのタイミングで中嶋を抜き、6番手。中嶋は7番手を走行。
残り10周、各車が2回目のピットストップを終え、現在の順位は1位ライコネン、2位マッサ、3位ハミルトン、4位クビサ、5位ウェーバー、6位バトン、7位中嶋、8位トゥルーリ、9位ハイドフェルド、10位フィジケラ、11位グロック、12位佐藤、13位クルサードとなっている。
59周目、クルサードとグロックの接触は審議対象となっている。
残り6周、アクシデントで最後尾に下がっているクルサードが佐藤に追いついている。何度か仕掛けるが、佐藤が順位を守っている。
残り5周、ホームストレート上でクルサードが佐藤のスリップに入るが、やはり抜けない。佐藤のノーズの先端が若干つぶれている様子。後半のペースが上らなかったのはこれが原因か。
残り5周、とうとうクルサードが佐藤をオーバーテイク。
いよいよ最終ラップ。トップのライコネンは余裕のクルージング。
ライコネンがトップでチェッカーフラッグを受ける。続いてマッサ、ハミルトン、クビサがフィニッシュラインを越える。
フェラーリは1−2フィニッシュ。
ウェーバーが5番手で3戦連続ポイント獲得。そして、バトンが6位、ホンダが今シーズン初ポイント。中嶋が7位、8位はトゥルーリという順位になった。
2008年F1世界選手権第4戦スペインGPの結果は、1位ライコネン、2位マッサ、3位ハミルトン、4位クビサ、5位ウェーバー、6位バトン、7位中嶋、8位トゥルーリ、9位ハイドフェルド、10位フィジケラ、11位グロック、12位クルサード、13位佐藤となった。
リタイヤしたのが、ヴェッテル、スーティル、ピケ、ボーデ、デビッドソン、コヴァライネン、バリチェロ、アロンソ、ロズベルグの9台という、バルセロナにしては荒れたレースとなった。
決勝
Pos. ドライバー コンストラクターズ Tyres Time
1 K・ライコネン フェラーリ 1:38:19.051
2 F・マッサ フェラーリ + 3.228
3 L・ハミルトン マクラーレン + 4.187
4 R・クビサ BMW + 5.694
5 M・ウェーバー レッドブル + 35.938
6 J・バトン ホンダ + 53.010
7 中嶋 一貴 ウィリアムズ + 58.244
8 J・トゥルーリ トヨタ + 59.435
9 N・ハイドフェルド BMW + 1:03.073
10 G・フィジケラ フォースインディア + 1 laps
11 T・グロック トヨタ + 1 laps
12 D・クルサード レッドブル + 1 laps
13 佐藤 琢磨 スーパー アグリ + 1 laps
Did not finish
14 N・ロズベルグ ウィリアムズ + 25 laps
15 F・アロンソ ルノー + 32 laps
16 R・バリチェロ ホンダ + 32 laps
17 H・コヴァライネン マクラーレン + 45 laps
18 A・デビッドソン スーパー アグリ + 58 laps
19 S・ボーデ トロロッソ + 58 laps
20 N・ピケ・ジュニア ルノー + 59 laps
21 S・ヴェッテル トロロッソ + 66 laps
22 A・スーティル フォースインディア + 66 laps
コヴァライネンのクラッシュは小石がタイヤリムの間で破壊が原因か
高速クラッシュを喫してタイヤバリアへ突っ込んだヘイッキ・コヴァライネンは、ヘリコプターでバルセロナ近郊の病院へ搬送された。マクラーレンはクラッシュの原因がタイヤリムにあると考えている。
マクラーレンのマーティン・ウィトマーシュは次のように語った。「目に見える怪我はないようだが頭を打っていることは明らかなため、脳しんとうの検査を受けるために病院へ運ばれた。しかし、深刻な怪我の兆候はないため、すぐに戻ってくることを願っているよ」
「タイヤ圧が急激に収縮したがタイヤの問題ではないと考えており、タイヤリムのトラブルによりこの収縮が起きたという証拠をつかんでいる。彼がトルコまでに元気になることが全ての兆候だ」
ロン・デニスは次のように説明している。「我々はコヴァライネンのクルマのリムとサスペンションの間に石が挟まり、そのようなものが壊滅的に空気を失う原因を作ったと考えている。ホイールはきつく閉められていたため、その2つの間にあった何かによるものだった」