ナノテクの板バネで振動の位相で「0」と「1」のデジタル信号を表す手法は、元東大教授の故・後藤英一氏が大学院生時代の1954年に発明した「パラメトロン」素子と同じ発想。またこれは日本のソロバン(算盤)を電子化したような発想のテクノロジーで、当時の旧電電公社が実現に向けてパラメトロン・コンピューターの開発を競っていた。しかし同時期に量産化が進んだトランジスタに比べて消費電力や発熱量が大きく、演算速度は遅かったためやがて姿を消してしまった。半世紀を経た今、民営化されたNTTが、パラメトロンの最大の弱点を克服する素子を発明してトランジスターに雪辱した格好となるか!?