今週末の9月26日から28日にかけて、自動車レースのF1世界選手権がシンガポールの市街地コースを使って開かれる。シンガポールでの開催は初めて。さらに、照明設備に100億円以上を投じた史上初の夜間レースとなる。
週末のシンガポールは雷雨の予報 F1史上初となるナイトレースがいよいよ今週末に迫った。週末のシンガポールは高温多湿が予想されており、雷雨の予報も出ている。いずれの日も気温は32℃前後となることが予想されているが、同時に雷雨が発生することも予想されている。
タイヤ モナコと同じように、シンガポールの新しいストリートサーキットも、グリップレベルは低いものと思われる。そのためブリヂストンは今回、モナコ、ブダペスト、ヴァレンシアと同じ組み合わせ、つまりソフトタイヤとスーパーソフトタイヤを持ち込むことにしている。週末の最初のうちはまだ路面ができ上がっていないと予想されるが、このタイヤのおかげで十分なグリップが得られる。しかし、他の臨時サーキットと同様に、週末が進んで路面ができ上がってくるにつれて、グリップレベルは上っていくだろう。
エアロダイナミクス シンガポールは、モナコに次いでシーズン中2番目に低速のサーキットとなるだろう。そのため各チームは、ブレキング時にクルマが十分に安定するように、そしてコーナーの脱出でクルマをしっかり接地させて最大のトラクションを得て、その後いい加速ができるように、高いダウンフォースのパッケージを用意してくるだろう。
ブレーキ シミュレーションでは、このサーキットはブレーキへの負荷が大きく、タイヤの摩耗はメルボルンと同程度だと考えられている。このサーキットの要求が厳しいのは、ブレーキングが激しいからではなく、ほとんど休みなく頻繁にブレーキを使わなければならないからである。そのためには、効率的にブレーキを冷却する必要がある。
サスペンション 新しいサーキットでレースをする場合、最も難しいことの一つがサスペンションのセットアップを予想することである。しかし、低速コーナーの割合が多いストリートサーキットはどれも、メカニカルグリップがあることが重要となる。各チームは、低速コーナーからクリーンにうまく脱出できるような柔軟なサスペンションと、バンプやキャンバー角のある路面でも走れるクルマをドライバーに提供するために懸命の作業をするのである。 エンジンとギアボックス ストリートサーキットは、全開率が低いため、エンジンにはあまり負担がかからない。しかし、それでも非常にアクセルのオン・オフが激しいため、やはりエンジンには負担がかかる。加速を最適化し、低速でエンジンを最大限に利用するために、非常に値の近いギアレシオがここでは使われる。一方エンジンチームはエンジンが低回転数で十分なトルクがあり、早めにスロットルが活用できるよう、マッピングの調整を行う。 F1シンガポールGP 初の夜間公道レース開幕! F1シンガポールGP 初の夜間公道レース開催で安全性に疑問? F1シンガポールGP、公道サーキットにFIAより暫定許可が降りる