GMの北米社長、トロイ・クラーク氏はシカゴモーターショーにおいて、2012年までに同社の生産車のおよそ半数をE85燃料使用可能なものにする計画を明らかにした。GMは今年中に11のE85使用モデルを追加し、来年にはさらに15のモデルを追加する。また2010年には最初のフレックス燃料4気筒エンジン搭載のシボレー『HHR』を発表する予定。
GM、2012年には生産台数の半数をE85対応 GMではデトロイトモーターショーの期間中にエタノール精製のベンチャー企業、コスケータ社との提携を発表しており、その延長上でのグリーン・バイオ燃料増進計画だ。E85燃料は、85%のエタノールと15%のガソリンで構成する環境に優しい混合燃料で、E85用に設計されたフレキシブル・フューエル・ビークル(FFV)で使用可能。 コスケータ社はエタノール・プラント・エンジニアリングの企業、ICMと提携し、2010年に占有技術を駆使した初のエタノールプラントを建設する。このプラント建設により、コスケータは1ガロンあたり1ドル以下のコストで大量のエタノール生産が可能になるという。米国・欧州では化石燃料使用を削減する、環境に優しい持続可能な燃料として注目されています。 しかも同社はトウモロコシや大豆といった農産物ではなくその副産物である茎や葉の部分、バイオマス、工業廃棄物などを原料にエタノールを精製する技術を標榜している。キャッチフレーズは「あなたのゴミはわれわれの資産」だと宣言している。 クラーク氏は、GMの計画が実現し、フォードモーター、クライスラーグループも「2020年までにE85燃料使用可能な車種を増やす」という約束を果たせば、ビッグ3全体で年間に290億ガロンのガソリンを節約できるとしている。 エタノールは他の燃料と比べても引火性が高く、煤(炎)も無く綺麗に燃焼する。従って、運輸面における環境に与える好影響は注目されており、(日本国外では)公共バスの燃料として使用されている。しかし純粋なエタノールはゴムやプラスチック機器を腐食することが明らかになっており、無改造の自動車エンジンでは使用できない。加えて、エタノールは普通のガソリンに比べオクタン価も高く、エンジンの点火タイミングの変更も必要である。 アメリカの自動車の大多数は改造無しにE85燃料で走行できる。大部分の車種がライトトラック(ミニバン、 SUV、ピックアップトラック)の為である。このような自動車は"dual fuel vehicles" または "flexible fuel vehicles"と呼ばれ、自動的に燃料のタイプを検出し、エンジンシリンダー内の燃焼方式を変えて燃料の変化を補償する。 トリオニック・マネジメントとも呼ばれるシステムは、給油毎に燃料の品質をモニタリングし、E85とガソリンとのいかなる組み合わせに対しても自動調整を行うことから、「E85燃料」が入手できないときにはガソリンを使用すれば良いことになる。 オクタン価で110の値を持つエタノールは、ガソリンに比べても遥かに勝っており、危険な他の添加物も不要となる利点がある。なお且つ、エタノールはガソリンの蒸気圧を増大させるので、大気中への揮発性物質の放出の増加は、鉛、ベンゼンあるいはMTBEといったものよりはるかに少なくなる。