F1の運営を行う国際自動車連盟(FIA)が、2008年度のF1世界選手権シリーズでフェラーリの極秘の技術情報を不正保持して厳罰処分を受けたマクラーレン・メルセデスの来季の参戦が可能か判断を、2008年2月14日の世界モータースポーツ評議会まで先延ばしすると発表した。当初は7日にモナコで開催さた同評議会で決定されるとしていた。
F1マクラーレン スパイ疑惑に厳罰、今季コンストラクターズ剥奪 国際自動車連盟(FIA)は13日、F1世界選手権でライバルチームの機密情報の不正入手・流用の疑いが持たれているマクラーレン・チームを、今季の製造者部門タイトル争いから除外すると発表した。 ドライバーズランキングで首位のルイス・ハミルトン(英国)と、2位のフェルナンド・アロンソ(スペイン)の、所属する2人に対する処罰はなく、両者は今季残る4戦に出場し、ドライバーズ・ポイントを獲得できる。ただ、その場合もチームにコンストラクターズ・ポイントは加算されない。またチームには、過去最高額となる1億米ドル(約115億円)の罰金が科された。 マクラーレンの技術者が元フェラーリの技術者から機密情報を得たとされる事件で、FIA世界モータースポーツ評議会は7月に聴聞会を開き、マクラーレンに国際スポーツ法典違反があったと認定。しかし違法に入手した技術を今季の車両開発に流用したと認めるには証拠不十分とし、チームへの処分を見送った。 FIAが今月に入って「新たな証拠を入手した」として評議会を再招集したことから、当初は2007、08両年の選手権からの除外などさらに厳しい処分が予想されていた。決定ではマクラーレンに来季用車両の技術報告を提出させ、今年12月の同評議会で08年の参戦の可否を決めるとしている。 FIAは9月にマクラーレンに制裁を科した際、来季の新型マシンにフェラーリの技術が転用された形跡が認められた場合、追加処分を検討するとし、11月には査察団を派遣していた。 FIAはこの日までにまとまった調査報告書に対し、マクラーレンとフェラーリなどのライバルチームに見解を表明する機会を与える、としている。