ワシントン DC の連邦地裁は12日、ホワイトハウスに対して一時差し止め命令を出し、削除された膨大な Eメールのコピーを含む可能性があるバックアップ テープの廃棄を禁じた。
この命令は、政府の監視機関である Citizens for Responsibility and Ethics in Washington (CREW) とジョージワシントン大学の独立研究機関 National Security Archive がそれぞれに起こしていた2つの訴訟を受けたものだ。
今回の命令の中で、連邦地裁の Henry Kennedy 判事は、ホワイトハウスが『連邦記録法』および『大統領記録法』に違反して Eメールを削除した事実があったのかどうかを捜査機関が判断できるよう、大統領府に対してバックアップの保存を命じている。
National Security Archive の法律顧問である Meredith Fuchs 氏は次のように語った。「(ホワイトハウスの行動は) 米国立公文書館のガイドラインに照らして、十分だとも適切だとも思えない。仮にガイドラインに準拠していたとしても、政府が負うべき法的義務に十分応えるものとは言えない。そこでわれわれは訴訟を起こし、ホワイトハウスに Eメールを復元させるとともに、しかるべき Eメール保管システムを構築させようとしたのだ」
米連邦裁判所は Clinton 政権下の1993年、ホワイトハウスの Eメールが連邦記録法の規制対象であり、破棄せずに保管せねばならないとの判断を示している。当時の政府はこれに応えて、すべての Eメールのやりとりを自動的に保存する『Automated Records Management System』(ARMS) という Eメール保管システムを設置した。