インターネット専業銀行の「ソニー銀行」の2007年9月中間期決算は中間純利益が20億円となって、過去最高益を更新したようです。ネット銀行の競合「ジャパンネット銀行」は前年同期の5億円の赤字から5億円の黒字にやっと転換したが、「イーバンク銀行」未だに52億円の赤字。では、なぜソニー銀行だけが、ひとり勝ちのできたのか?
口座数少ないが、預かり資産ではネット銀行でトップ ソニー銀行の中間決算(単体)は、経常収益で前年同期比20%増の 115億8100万円と100億円の大台に乗せた。経常利益は同168%増の15億7900万円。中間純利益では税効果会計に伴う法人税等の調整額もあって、同1110%増の20億4500万円の増収増益となった。 口座数は約53万件。預かり資産(預金と投信の合計)残高はこの3月期と比べて19%増の1兆60億円と、1兆円の大台を突破。なかでも外貨預金や投信の伸びは堅調で、外貨預金残高は同22%増の1796億円、投信残高も22%伸びて1176億円となった。 一方、ジャパンネット銀行の口座数は約168万口座、預金残高で3739億円(投信残高はない)。また、イーバンク銀行の口座数は約237万口座、預かり資産残高で6943億円だった。ジャパンネット銀行とイーバンク銀行と、ソニー銀行とでは口座数でじつに3〜4倍の開きがある。ところが、ソニー銀行の強みのひとつがここにあった。 ソニー銀行は開業当初から投資信託を販売するなど「資産運用」を重視したビジネスモデルを構築。インターネット決済にこだわったジャパンネット銀行やイーバンク銀行と一線を画した。その結果、ソニー銀行は口座数こそ少ないが、預かり資産ではネット銀行でトップ。口座管理の手間が少ないうえ、好調な投信の販売手数料などが増益を支えた。30〜40歳代の男性を中心に、「ある程度のお金ができた人に使ってもらう銀行をめざした」(ソニー銀行広報部)ことが功を奏した。 10月には証券子会社の「ソニーバンク証券」を開業。ソニー銀行に口座を有するお客だけに、株式の注文など取引を仲介するサービスを始めた。もっと口座を活用してもらい、口座あたりの残高を積み上げる考えだ。