ただし彼らは厳密に言えば、いわゆる勢いとアイデアの瞬発力を身上とするパンクの括りに入るには、あまりにも音楽的に洗練されていた。パンクのイメージは、彼らにとって仮の姿に過ぎなかったのである。例えばデビュー・アルバムの『アウトランドス・ダムール』に収録されている「俺達の世界」の原題は「Born in the 50's」だったが、最年長のアンディ・サマーズは、40年代生まれで、キャリアも演奏力も突出していた。そして1983年に発表した5枚目のスタジオ・アルバム『シンクロニシティー』は、そうした本領を現した彼らの最高の到達点と言われたが、本作を最後に解散してしまった。