ア・リーグ優勝決定シリーズ第6戦40歳、シリングが快投!
大リーグのア・リーグ優勝決定シリーズ第6戦(4戦先勝制)が20日(日本時間21日)、ボストンであり、レッドソックス(東地区1位)が12―2でインディアンス(中地区)を下し、対戦成績を3勝3敗のタイに持ち込んだ。勝負を決める21日(日本時間22日)の第7戦で、レッドソックスは松坂が先発する予定。
レッドソックスは1回にドルーの満塁本塁打で先制。3回にも大量6点を加え序盤で大勢を決めた。先発した40歳のシリングが7回を2点に抑える好投をみせた。
リーグ優勝決定シリーズで1勝3敗から五分に戻したのは過去6度あり、追い上げたチームが5度ワールドシリーズに進んでいる。勢いをもって臨む第7戦に向け、フランコナ監督は「興奮しているし、本拠地でできるのは大きい」と喜びながらも「先発投手が重要。今夜の結果はあす何の意味もなさない」と気を引き締めていた。
米新聞の紙面には、松坂に対する痛烈な批判記事が並んでいた。
「1億ドルの投資は失敗に終わった」「松坂の投資は成功したとは言えない」。ALCS第3戦で先発したものの、5回途中4失点の“背信投球”。1勝1敗で迎えた重要な一戦で負け投手となり、松坂自身も試合後はロッカーでうなだれるしかなかった。
その後、チームも呼応するように連敗。敵地で王手をかけられ、松坂の2007年は終わりを告げるかに思われた……。しかし、日本で伝説を残した男は、ふたたび大きな“運”を引き寄せた。もう負けられないレッドソックスは、第5戦にベケットの好投で流れを変えて2連勝。敗退濃厚な状況で踏ん張り、最終戦に再び松坂を迎えてラスト・チャンスを与えた。松坂本人もこの運命の意味を理解している。
本人も「このままでは終われない。」一生懸命やったからいいわけではない、プロだから結果がすべて。結果を残してこそプロだとしている。
今シーズンは「成功と失敗」を繰り返してしまったが、この第7戦を負ければシーズンが終わる。この一戦で、次に繋げる投球ができるか!もう“失敗”は許されない状況での登板となる。そして、あの1球は「失投でした」の言い訳もできない。
前回登板では、ロフトンに先制の一発を浴びて試合の主導権を握られ、そのまま敗戦に繋がってしまった。今回は失投しても許されない。相手を力でねじ伏せるピッチングが必要となる。松坂の投球では「ストレートの斬れ」が、この試合の鍵になると言われているが、バリテックとどういった配球を組み立てるのかがポイントになるだろう。
「1億ドル(約115億円)」で移籍、華々しくレッドソックスに入団して以来、誰もが松坂の活躍を期待していたが、試合では予想以上に苦しんでいた。環境、知らない相手選手、滑る球、慣れないマウンド、登板数が多く次の試合までの調整など苦しみながら、メジャー選手が夢見る「10月に試合をする」ことまで進んだ。
この大切な大切な第7戦でファン・球団・仲間の期待を裏切ってしまう結果では、ファンやメディアが黙っていない。レッドソックスはそういう球団である。だが、この試合で結果を残せば、松坂のMLB伝説が始まりを告げる。
英雄か!敗戦の戦犯に・・・その答えは、22日に松坂自身が出す。
松坂、大一番で上々の滑り出し Rソックスがリード
ボストン・レッドソックスの松坂大輔投手は21日、クリーブランド・インディアンスとのア・リーグ優勝決定シリーズ第7戦に先発登板。勝てばリーグ優勝、負ければシリーズ敗退という天下分け目の大一番で最初の3イニングを無失点に抑える上々の立ち上がりを見せている。試合は3回表まで進み、レッドソックスが2−0とリード。
松坂は初回、先頭の要注意バッター、グレイディ・サイズモア中堅手をセカンドフライに打ち取るなど3者凡退に仕留める。2回も3人で片付けた松坂は、3回2死からこの試合初のヒットを許した後、ワイルドピッチで得点圏に走者を背負うが、サイズモアを高めのストレートで空振り三振に仕留め、ピンチを切り抜けた。
レッドソックスは初回、インディアンスの先発ジェイク・ウェストブルック投手の立ち上がりを攻め、マニー・ラミレス左翼手のレフト前タイムリーで先制。2回にも松坂の女房役ジェーソン・バリテック捕手の二塁打を足がかりに2点目を奪った。
1回裏=レッドソックス
1番 ペドロア:左安 無死1塁
2番 ユーキリス:左安 無死1、2塁
3番 オルティス:三振 1死1、2塁
4番 ラミレス:左適時打 1死1、2塁
※ショート正面の当たりは、ショートが後逸しレフト前へ。その間にペドロアが生還しレッドソックスが先制
5番 ローウェル:左安 1死満塁
6番 ドルー:遊ゴロ 併殺
チェンジ
レッドソックスが1点追加し2-0とリード。
2回表=インディアンス
松坂、2回の表は三者凡退。文句なしのピッチング。
4番 マルティネス:左直
5番 ガルコ:三ゴロ
6番 ペラルタ:三ゴロ
チェンジ
2回裏=レッドソックス
ラミレスのタイムリーヒットでレッドソックスが先制
7番 バリテック:左二 無死2塁
8番 エルズベリー:左安 無死1、3塁
9番 ルーゴ:遊ゴロ 併殺
※ダブルプレーの間にバリテックが生還し、レッドソックス追加点
1番 ペドロア:左飛
チェンジ
3回表=インディアンス
松坂、この回に初めてランナーを出すも、サイズモアを三振に打ち取り安定した投球をみせる
7番 ロフトン:右飛
8番 グティエレス:二飛
9番 ブレーク:中安 2死1塁
※盗塁成功 2死2塁
1番 サイズモア:三振
チェンジ
3回裏=レッドソックス
レッドソックスが小刻みに得点を重ね3-0とリード
2番 ユーキリス:左二 無死2塁
3番 オルティス:一ゴロ 1死3塁
4番 ラミレス:敬遠 1死1、3塁
5番 ローウェル:右犠飛 2死1塁
※犠牲フライでオルティスが生還し1点追加
6番 ドルー:左飛
チェンジ
4回表=インディアンス
インディアンスが2本のツーベースヒットで1点を返す
2番 カブレラ:遊飛
3番 ハフナー:左二 1死2塁
4番 マルティネス:投ゴロ 2死2塁
5番 ガルコ:中適時打 2死2塁
※大きな当たりはセンターを越しフェンスに直撃。その間にハフナーが生還し1点を返す。
6番 ペラルタ:遊ゴロ
チェンジ
4回裏=レッドソックス
1番ペドロアの打球はセカンド正面に。ダブルプレーで追加点ならず。
7番 バリテック:左安 無死1塁
8番 エルズベリー:一ゴロ 1死1塁
9番 ルーゴ:中安 1死1、3塁
1番 ペドロア:二ゴロ 併殺
チェンジ
5回表=インディアンス
松坂、犠牲フライで1点を失うも、カブレラを三振に打ち取り、この回の失点を1点に抑える。
7番 ロフトン:左安
※2塁進出を狙ったロフトンだが、ラミレスの矢のような送球でタッチアウト
8番 グティエレス:中安 1死1塁
9番 ブレーク:右安 1死1、3塁
1番 サイズモア:中犠打 2死1塁
※サイズモアの打球は高く打ち上がりセンターへ。犠牲フライとなりインディアンスが1点差に追い上げる
2番 カブレラ:三振
チェンジ
5回裏=レッドソックス
調子を上げてきたインディアンス投手ウェストブルックがこの試合初めての三者凡退
2番 ユーキリス:三振
3番 オルティス:遊ゴロ
4番 ラミレス:三振
チェンジ
6回表=インディアンス
松坂は5回で降板。代わりにマウンドに上がった岡島はインディアンスのクリーンナップを三者凡退に抑えた。
※投手交代 松坂→岡島
3番 ハフナー:左飛
4番 マルティネス:右飛
5番 ガルコ:遊ゴロ
チェンジ
6回裏=レッドソックス
ウェストブルックが5回に続きこの回も三者凡退。レッドソックスに追加点のチャンスを与えず
5番 ローウェル:三振
6番 ドルー:二ゴロ
7番 バリテック:三振
チェンジ
7回表=インディアンス
インディアンスが逆転のチャンスを掴んだが、ダブルプレーで活かせず。
6番 ペラルタ:右飛
7番 ロフトン:左二 1死2塁
※高く上がった打球はレフト前に。ショートのルーゴがレフトの位置まで下がって捕球しようとしたが、ボールを落としてしまうエラーでロフトンが2塁へ。
8番 グティエレス:内安 1死1、3塁
※ファールかと思われた打球だが審判はフェアの判定。
9番 ブレーク:三ゴロ 併殺
チェンジ
7回裏=レッドソックス
レッドソックスはこの回、ペドロアの2ランホームランが飛び出し、5-2に。リードが一気に3点に広がる
※投手交代 ウェストブルック→ベタンコート
8番 エルズベリー:内安 無死2塁
※サード正面の打球を弾いてしまうエラー。エルズベリーは2塁へ
9番 ルーゴ:犠打 1死3塁
1番 ペドロア:H O M E R U N ! ! ! !
※打ち上げた打球はグリーンモンスター(レフトフェンス)に吸い込まれる2ランホームラン。レッドソックスがインディアンスを突き放す
2番 ユーキリス:遊ゴロ
3番 オルティス:左飛
チェンジ
8回表=インディアンス
ノーアウト1、2塁とピンチを迎えてしまったレッドソックスだったが、岡島に代わってマウンドに上がったパベルボンが安定したピッチングでインディアンスの攻撃を3人で抑え、このピンチを切り抜けた。
1番 サイズモア:内安 無死1塁
2番 カブレラ:中安 無死1、2塁
※投手交代 岡島→パベルボン
3番 ハフナー:三振 1死1、2塁
4番 マルティネス:二ゴロ 2死1、3塁
5番 ガルコ:中飛
チェンジ
8回裏=レッドソックス
ペドロアのタイムリー、ユーキリスの2ランなどでこの回一気に6点をあげる
4番 ラミレス:二飛
5番 ローウェル:中二 1死2塁
6番 ドルー:中適時打 1死1塁
※二遊間を抜けた打球はセンター前に。ローウェルが生還し、レッドソックス、ダメ押しの追加点。
7番 バリテック:左安 1死2、3塁
※打ち上がった打球を追いサードとショートが交錯。落ちた打球はフェンス内へ入りツーベース。
8番 エルズベリー:四球 1死満塁
9番 ルーゴ:三振 2死満塁
1番 ペドロア:中適時打 2死二塁
※初球を左中間に運ぶタイムリーツーベース。3人が生還し、9-2に。ペドロアは今日5打点の活躍
※投手交代 ベタンコート→ルイス
2番 ユーキリス:H O M E R U N ! ! ! !
※打球はレフトスタンドに吸い込まれる2ランホームラン。止まらないレッドソックス打線はこの回一気に6得点。
3番 オルティス:三振
チェンジ
9回表=インディアンス
6番 ペラルタ:左安 無死1塁
7番 ロフトン:左飛 1死1塁
8番 グティエレス:中飛 2死1塁
9番 ブレーク:中飛
試合終了
レッドソックスがインディアンスを下し3年ぶり12回目のアメリカンリーグ制覇
松坂勝利 11−2でレッドソックス、ワールドシリーズ進出
米大リーグ、アメリカンリーグ優勝決定シリーズ第7戦(21日=日本時間22日、フェンウェイパーク)ボストン・レッドソックスはワールドシリーズ(WS)進出をかけて、本拠地でクリーブランド・インディアンスと対戦。11−2で勝利した。
レッドソックスのWS進出は3年ぶり11回目。
レ軍先発の松坂大輔投手(27)は、今季のポストシーズンで2度先発するも、勝利がなかったが、1点リードのまま五回2点で勝利投手の権利を手にして降板。レッドソックスは8回裏に一挙6点を追加するなど、着実に加点し、松坂が勝利投手となった。
岡島秀樹投手(31)も2番手として登板し、六、七回を0点に抑えたものの、八回に無死1、2塁のピンチをまねき、降板した。