「いらっしゃいませ!! 野郎ども(ファッキンガイズ)!!」と出迎えてくれる戦場の中での日常を求める発想で描かれた世界のブランド・コンビニを舞台にしたミリタリーギャグ漫画です。お客さんのほぼ全員が軍人。登場人物の皆さんは、普段からライフルで敵を狙撃したり、戦車で市街を砲撃したり、高射砲でヘリを撃墜したりしています。店内はヘルメット脱帽が原則で、銃や爆発物等の持ち込みは禁止、しかも禁煙です。
「コンビニDMZ」では、その中の緩衝地帯に設けられたDMZ(Demilitarized Zone、非武装地帯)にある、日本企業経営(?)のコンビニエンスストアでの物語が描かれているのです。 この「コンビニDMZ・ポイントチャーリー店(正式名称)」は紛争地のど真ん中という、あまりにも危険な場所で営業がされています。コンビニの敷地内は非武装地帯になっているので一応安全なのですが、敷地の外は銃弾やミサイルが飛び交う戦場。駄菓子を買いに行くのも命がけという、空前絶後のコンビニなのであります。商品の搬入も装甲車で行われ、戦車が護衛で先導します。絵的には補給部隊の移動にしか見えません。 このコンビニの敷地内は国連、NATO、現地両軍によって中立が保障されているという設定。コンビニ内では複数の勢力の兵士が普通の客として買い物をし、例え隣に敵対勢力のリーダーがいても手出しを出来ない、それどころか武装の持ち込みやヘルメット脱帽という、永世中立国のスイスばりのルールが設けられている。ちゃっかり「店内禁煙」もあるあたりは、コンビニらしい。 コンビニは日本人が経営する海外支店ということで店長(川口洋一)の気苦労も絶えません。ただ、こんな店を任される人材だけあって、異常なほどに度胸は据わっています。店内で喧嘩が始まった時などは「困りますねぇ。店内でのくそったれのチワゲンカは」と、笑いながら激怒して荒くれ軍人共を黙らせるといった「狂気」を発揮。また、クレーム処理で戦地にスクーターで飛び出して爆撃に巻き込まれながら血まみれで帰還するなど、凄まじいプロ根性を随所で見せてくれます。 他支店との売り上げ競争で月間1位を記録して大喜びする店長の脳天気なポジティブさは、ある意味見習うべきところがあるようなないような……。ちなみに1位の月によく売れた商品が「モルヒネ」「圧迫包帯」というところが“ブラック”で素敵です。重火器や戦車などの描き込みも気合いが入っていますので、ミリタリー好きにはオススメです。 ■コンビニDMZ 1 (1) (ヤングキングコミックス)