パリのオルセー美術館に展示されていた印象派の代表的画家クロード・モネ(1840―1926)の風景画「アルジャントゥイユの橋」が10センチにわたって裂かれているのを、同館職員が7日確認した。捜査当局は館内に夜間侵入した男女5人組の仕業と見て、行方を追っている。
仏テレビTF1などによると、同日午前零時ごろ少年4人と少女1人の計5人組とみられ、グループが館内に侵入。警報装置が鳴り響き、5人組は逃走する直前、腹いせのため作品に拳で一撃を食らわせたとみられる。こぶしで殴りつけた跡とみられる亀裂は絵の右寄り中央部に横に走り、修復が不可能ではないものの困難が予想される。被害額は算出不能という。
アルジャントゥイユの橋 アルジャントゥイユにあるモネの家のすぐ近くにあるこの橋はよくモチーフとされた。この作品の中心となるのは水面の表現で、わずかなさざなみにより対岸の景色を手前まで引き伸ばしつつ、白いボートと青い空ははっきりと映し出されている。モネには珍しくタッチが細かい作品であるが、これまでの大きなタッチでは表現しきれない色彩の深みを出すための試みと思われる。 モネは小さな船をアトリエにしていたという。乗る人を待つ小船の浮かぶ穏やかな川面には、 空の雲や木々の緑、川岸に佇む家、そして対岸へ架かる橋が映り込んでいる。 川と同じように、ゆるやかに流れていく時間は、画家・モネが愛した自然の光に満ちている。
クロード・モネ作品で名画「睡蓮」が最高額87億円で落札 フランスの印象派の画家クロード・モネ(1840〜1926年)の代表作「睡蓮(すいれん)」が24日、ロンドンで競売にかけられ、4090万ポンド(約87億円)で落札された。 競売商クリスティーズによると、モネの作品としては過去最高額で、当初予想の落札額は2400万ポンド(約50億円)だった。落札したのは「収集家」とだけ伝えられ、詳細は不明。 モネは自宅の庭の池を観察し、光や水と調和した「睡蓮」を多数描いたが、今回落札されたのは1919年の作品