理化学研究所と慶応大などの研究チームが「腰椎椎間板ヘルニア」発生の原因となる遺伝子の一つ「COL11A1」を発見したと発表しました。この遺伝子を持つ人の発症を防いだり新しい治療や予防法の開発にもつながる可能性があり、将来この成果が生かされるとしています。
「つい間板ヘルニア」は、つい間板に強い圧迫が加わることで、つい間板の「線維輪」に亀裂が生じ、そこから「髄核」がはみ出し、神経を圧迫する病気です。
つい間板ヘルニアは、背骨の間にある軟骨(つい間板)が外に飛び出して腰の神経を圧迫する病気で、腰痛や座骨神経痛などを引き起こす。20〜40歳で発症しやすく、日本人の1%以上がかかっていると言われている。 理研遺伝子多型研究センターの池川志郎チームリーダーらが見つけた原因遺伝子は「COL11A1」。つい間板の組織のたんぱく質を作ることが知られていたが、病気との関係はわかっていなかった。 患者と健常者計1730人を調べると、患者の方が、COL11A1が変異している割合が9%高かった。 この変異のある人が病気にかかる危険性を計算すると、変異がない人に比べて1・4倍高くなった。変異があると、たんぱく質の作成量が約30%減り、つい間板が弱くなって飛び出しやすくなることも突き止めた。 つい間板ヘルニアの原因遺伝子はいくつかあると考えられており、研究チームは2年前にも原因遺伝子の一つを発見している。 ■椎間板ヘルニアの新たな原因遺伝子「COL11A1」 - 腰痛、坐骨神経痛の病因解明に向けての新たな一歩 -
手術せずに根する可能性も かつては、はみ出した髄核を手術で取り除かなければ完治しないと考えられていたため、つい間板ヘルニアが見つかると、すぐに手術が行われることがよくありました。しかし、最近になって、突出した髄核が自然に体内に吸収されるケースがかなりあることがわかってきました。画像検査で髄核が自然吸収されやすいと診断された場合は、吸収されるまでの間、痛みなどの症状を抑える保存療法を行います。 自然吸収の可能性が低い場合や、社会復帰を急ぐ場合には、手術が選択されます。以前から行われている「ヘルニア摘出術」のほかに、最近は「内視鏡下ヘルニア摘出術」も行われています。
かつては、はみ出した髄核を手術で取り除かなければ完治しないと考えられていたため、つい間板ヘルニアが見つかると、すぐに手術が行われることがよくありました。しかし、最近になって、突出した髄核が自然に体内に吸収されるケースがかなりあることがわかってきました。画像検査で髄核が自然吸収されやすいと診断された場合は、吸収されるまでの間、痛みなどの症状を抑える保存療法を行います。
自然吸収の可能性が低い場合や、社会復帰を急ぐ場合には、手術が選択されます。以前から行われている「ヘルニア摘出術」のほかに、最近は「内視鏡下ヘルニア摘出術」も行われています。