大ヒットした卵かけご飯専用しょうゆに続いて、さまざまな専用しょうゆが次々と売り出されている。もちや冷奴、とんかつ、カレー…、アイスクリーム専用しょうゆまで登場した。海外では日本食ブームで市場が広がっているしょうゆだが、国内の1人あたり消費量は頭打ち。専用しょうゆは、若い世代に使ってもらおうと、全国各地のメーカーが地元醸造のしょうゆをベースに仕上げた。そのこだわりの味が人気を呼んでいる。
今や50近くあるとされる卵かけご飯専用しょうゆ。ブームに火をつけたのは、農産加工品を生産販売する第三セクター、吉田ふるさと村(島根県雲南市)の「おたまはん」だ。2002年5月に販売を開始したが、05年に雲南市で開催された「たまごかけごはんシンポジウム」をきっかけに全国に知られるようになり、飛躍的に販売数量を伸ばした。 ただ、木おけで1年半熟成させた特注の生じょうゆに、みりんとかつお節エキスで味付けした「おたまはん」は、年間50万本程度の生産が限界。新規の注文には応じられず、「これまでの取引先だけに出荷している」(吉田ふるさと村)状態という。 ≪食べ方いろいろ≫
これに続けと専用しょうゆがめじろ押し。この夏、とくに話題になったのがアイスクリーム向け。今年1月に、岐阜県岐阜市の山川醸造が売り出した「アイスクリームにかける醤油」だ。 当初は、しょうゆ味のアイスクリームを作ろうと考えていたが、コストがかかりすぎることから断念。「逆転の発想で、アイスクリームにかけるしょうゆをつくった」(山川晃生社長)と説明する。「バニラアイスにかけるとみたらし団子のような味が楽しめる。これからの季節はおもちにかけるとおいしいのでは…」(同)と別の食べ方も提案する。 これまでの販売本数は受注分も含めて8000本以上と、飛ぶように売れた。夏が終わっても、注文や問い合わせに対応する日々だという。 ■山川醸造「アイスクリームにかける醤油」