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September 15, 2007 space
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F1マクラーレン スパイ疑惑に厳罰、今季コンストラクターズ剥奪

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国際自動車連盟(FIA)は13日、F1世界選手権でライバルチームの機密情報の不正入手・流用の疑いが持たれているマクラーレン・チームを、今季の製造者部門タイトル争いから除外すると発表した。
 
 
 ドライバーズランキングで首位のルイス・ハミルトン(英国)と、2位のフェルナンド・アロンソ(スペイン)の、所属する2人に対する処罰はなく、両者は今季残る4戦に出場し、ドライバーズ・ポイントを獲得できる。ただ、その場合もチームにコンストラクターズ・ポイントは加算されない。またチームには、過去最高額となる1億米ドル(約115億円)の罰金が科された。
 

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 マクラーレンの技術者が元フェラーリの技術者から機密情報を得たとされる事件で、FIA世界モータースポーツ評議会は7月に聴聞会を開き、マクラーレンに国際スポーツ法典違反があったと認定。しかし違法に入手した技術を今季の車両開発に流用したと認めるには証拠不十分とし、チームへの処分を見送った。
 
 
 FIAが今月に入って「新たな証拠を入手した」として評議会を再招集したことから、当初は2007、08両年の選手権からの除外などさらに厳しい処分が予想されていた。決定ではマクラーレンに来季用車両の技術報告を提出させ、今年12月の同評議会で08年の参戦の可否を決めるとしている。
 

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 年間王者を争っている所属のルイス・ハミルトン(英国)とフェルナンド・アロンソ(スペイン)のドライバー部門の獲得ポイント剥奪は回避された。ただし、マクラーレンの来季の同選手権出場については12月に改めて検討される。
 
FIAによる声明
世界モータースポーツ評議会(WMSC)の臨時会議が2007年9月13日にパリで開かれ、以下の内容が決定された。
 
・WMSCは、2007年FIAフォーミュラワン世界選手権におけるボーダフォン・マクラーレン・メルセデスの全てのポイントを剥奪し、残りのシーズンもポイントを獲得できない。さらに、チームは1億ドル相当の罰金を支払い、ポイント控除の結果としてFOMの収入を失うことになる。(※1)
・しかし、例外的な状況として、FIAはチームのドライバーに対して証拠提出の見返りとして免除を行い、ドライバーのポイントにはペナルティを科さない。(※2)
・WMSCは、2008年のマクラーレンのクルマに関する全ての技術レポートを受け取り、2007年12月の会議で必要とあらばチームの2008年シーズンに対して制裁措置の決定を行う。
 
※1:他のチームが今シーズンに獲得したポイントについては影響を受けない。
※2:マクラーレンのドライバーが2007年シーズンの残りのレースで優勝しても、チームの代表者が表彰台に上がることは許されない。

 
 マクラーレンは今季ここまで13戦中、7戦を制するなど、1998年以来の製造者部門タイトル獲得の可能性が高くなっていた。
 
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 マクラーレンのロン・デニス代表は処分の決定後、今週末の第14戦・ベルギーGPへの出場を表明した上で、「こうした形での処罰は受け入れられない。われわれのドライバーやスタッフが提示した証拠は、われわれが無実であることを明白に示している」とする声明を発表。FIA国際控訴裁判所への控訴も視野に入れていると思われる。
 
 
 FIAでは今回の決定に至った理由を14日に明らかにするとしている。
 
 過去には、1997年最終戦で危険な走行をしたミヒャエル・シューマッハー(ドイツ、当時フェラーリ)が、同年のポイントをすべて取り消された例がある。またチームでは1990年にラルースが、車体の登録違反により同年のコンストラクターズ・ポイントを剥奪されたが、所属した鈴木亜久里が日本GPでの3位表彰台などで得たドライバーズ・ポイントは抹消されていない。
 
 
 FIA マクラーレンのドライバーたちのメール内容を公開
 
 FIAは、フェルナンド・アロンソとペドロ・デ・ラ・ロサのメールの内容を公開した。これが証拠となって、マクラーレンはフェラーリにスパイ行為をしたとしてコンストラクターズチャンピオンシップから除外され、多額の罰金を課せられた。
 
 マクラーレンの2人のドライバーが停職中のチーフデザイナーのマイク・コフランから情報を得ており、その情報源が元フェラーリの従業員であるナイジェル・ステップニーだと知っていたことが、これで確認されている。これらのEメールはこの3カ月の間にやりとりされたものであり、フェラーリのブレーキ、タイヤの内圧、そして重量は遺文などの詳細に関わるものであった。

FIAの書面には、次のように書かれている。「これらのEメールを見れば、アロンソとデ・ラ・ロサの両氏がフェラーリの機密情報をマイク・コフランを通じて受け取っていたことは明白である。両ドライバーはこの情報がフェラーリの機密情報であることを知っており、この情報がナイジェル・ステップニーからコフランを通じて得られたものであることも知っていた」

FIAが解明したところによれば、デ・ラ・ロサはアロンソにあてた3月25日のEメールで次のように書いている。「フェラーリからの情報はすべて非常に信頼できるものだ。今は何をしているのか知らないけど、元チーフメカニックのナイジェル・ステップニーからきたものだからね。彼は、オーストラリアでキミ(ライコネン)が18周目でストップすることを教えてくれた人物でもあるんだ。彼は、僕たちのチーフデザイナーのマイク・コフランととても仲がよくて、この情報をマイクに教えてくれたんだよ」

FIAは、7月に行われた1回目の公聴会の時点でマクラーレンの職員がフェラーリからデータを受け取ったことは分かっていたが、今回世界モータースポーツ評議会がマクラーレンを処罰するに至ったのは、そのデータを使おうという意図があったからである。デ・ラ・ロサは、フェラーリの重量バランスをマクラーレンのシミュレーターで試したかったと語っており、アロンソもタイヤに同じガスを入れてみることが重要だと考えていた。コフランもまた、デ・ラ・ロサがフェラーリのブレーキシステムの詳細について尋ねたとき、「同じことをやってみようとしていた」と語った。

これにより、FIAは次のように述べている。「この証拠により、世界モータースポーツ評議会は、なんらかの競技場のアドバンテージが得られたものを判断した。しかし、そのアドバンテージがどの程度のものであったのかを正確に把握することは永遠に不可能であるだろう」

FIAはさらに、主な責任はマクラーレンにあるとして、ドライバーには処罰を与えるつもりがないと述べた。


 

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