デスノート漫画家 太宰治代表作「人間失格」表紙を描いて大ヒット

　
　太宰治の「人間失格」は、「恥の多い生涯を送ってきました」という文章で知られる太宰が自殺する１９４８年（昭和２３年）に発表された自伝的小説。生きることの苦悩を見つめた小説には若い世代のファンが多く、５２年初版の新潮文庫は６０２万５０００部と夏目漱石「こころ」と並ぶ大ベストセラー。９０年初版の集英社文庫でも４０万部を超えている。
　
　
　従来の表紙は抽象画だったが、編集部は、「いかにも名作」という路線からの脱却を目指して小畑さんに表紙絵を依頼。新装版は、「デスノート」の主人公・月（ライト）を思わせる学生服姿の男の子が不敵な顔で座るデザインとなった。
　

　
　また、夏目漱石の「こころ」や宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」、武者小路 実篤 (友情・初恋)などの小説もイメージを伝えるための手法として、表紙にモデルの写真を掲載したことで、新しい小説のイメージを伝えることに成功している。今後、小説もこの手法が主流になるのかもしれない。
　
　友情;初恋 (集英社文庫)
　武者小路 実篤
　
　ひとりの女性を同時に愛した親友同士。友情と愛情は両立できるか。美貌の女性杉子をめぐる2人の青年の葛藤…。青春の恋愛と失恋、友情をいきいきと描く。
　
　若い作家・野島は、劇場の廊下で初めて杉子を見たときから、その美貌に心を奪われてゆく。彼のひそかな思いを知った年上の友人・大宮は、恋の成就のために力を貸すことを約束した。しかし、意外なことに杉子の思いは大宮に傾いてゆく…。友情と愛情、恋愛と失恋を描いた近代日本文学の代表的青春小説。