F1に参戦するスパイカーは26日、日本人ドライバー山本左近(25)のドライバー起用を発表した。クリスチャン・アルバースの代役として、スパイカーF1チームから2007年シーズンの残りのレースに出場することが決まった山本左近は、同チームによる“抜擢”に彼自身も驚いたと認めている。 昨年、スーパーアグリで7戦を戦い、今シーズンはBCNからGP2シリーズに参戦していた山本は、F1への復帰を本当に喜んでいるという。
山本は、スポンサーシップ問題により契約が解除となったクリスチャン・アルバース(オランダ)の後任として、今季残り7レースに出走する。 「スパイカーから指名されたのは驚きだった。でも同時に、F1へ復帰できることを本当に喜んだよ」復帰戦となるハンガリーGPを今週末に控え、彼はこのように語っている。「確かに今年は通常のテストブログラムに参加できていないが、2月にF1マシンをドライブしている。問題になるとは思わないよ。レギュラードライバーのシートに戻れて嬉しい」 チームにとっては新たなドライバーということになるが、山本はスパイカーに全く馴染みがないわけでもない。彼のホームグランプリである鈴鹿でF1に初参加した2005年、彼はスパイカーの前身であるジョーダンでテストを行っている。 「2005年に僕はこのチームでテストを行っている。名前は変わってしまったけどね! 日本GPの金曜プラクティスセッションでドライブしたんだ。エンジニアやメカニックを何人か知っているというアドバンテージがあるので、チームへの復帰に苦労することはないよ」 残り7戦に向けての目標を聞かれた山本は、チームが初ポイントを獲得できるよう手助けすることが優先事項だと答えている。 「もちろん、速さを見せてポイントを獲得し、できる限り多くのレースを完走したい。でも、目標はスパイカーの初ポイント獲得を手助けすることだよ」 ハンガリーGP プラクティス、アロンソがトップ!左近、苦しいスタート 2007年F1第11戦ハンガリーGPが8月3日(金)、ハンガリーのハンガロリンクで開幕し、現地時間14時から90分間、プラクティス2回目が行われた。 コースへ出ていったのは、このグランプリから参戦しているスパイカーの山本左近。そして、SUPER AGURIの佐藤琢磨が続いた。セッション開始10分後には、フェラーリのキミ・ライコネン、HONDAのルーベンス・バリチェロ以外の全ドライバーがタイムを出している。その中でトップに立ったのは、マクラーレンのフェルナンド・アロンソ。注目のタイムは1分22秒130だった。 セッション開始15分後には、ライコネンとバリチェロもタイムを出し、これで全ドライバーのタイムが出そろった。この時点でルイス・ハミルトンがアロンソのタイムを上回りトップに立っている。ハミルトンのタイムは1分21秒729で、早々と唯一の21秒台に入れてきた。しかし、すぐさまルノーのルーキー、ヘイキ・コバライネンが1分21秒570をマークし、ハミルトンに代わりトップに立つ。 セッション開始から30分を経過した時点でも、コバライネンがトップを守り、2位にはチームメートのジャンカルロ・フィジケラがつけていた。しかし、ハミルトンがトップに迫る走りを見せる。ハミルトンはフィジケラの上に立ったものの、コバライネンには追いつかなかった。その後、アロンソが1分20秒台919というスーパーラップをたたき出し、ようやくコバライネンのトップタイムを破った。アロンソはコバライネンに0.3秒以上の差をつけトップを奪う。 セッション開始40分が経過した頃には、目立ったタイム更新もなく、順位の変動もなかった。この頃から雲が広がり始め、路面温度が急速に下がり始める。 セッション残り5分頃、ほとんどのドライバーがコースへと出て行ったが、ハミルトンがスピンを喫してマシンを止めたため、イエローフラッグが振られている。 結局、最後までタイム更新や順位の変動はなく、ほとんどのドライバーはセッションの前半でベストタイムを出すという結果となった。 トップ5位までの結果は以下の通り。1位フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)1分20秒919、2位にヘイキ・コバライネン(ルノー)1分21秒283、 3位にルイス・ハミルトン(マクラーレン)1分21秒338、4位にニコ・ロズベルグ(ウィリアムズ)1分21秒485、5位ニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)1分21秒517。 トップ5位以外の日本勢は、ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ)が9位、ラルフ・シューマッハ(トヨタ)11位、アンソニー・デビッドソン(SUPER AGURI)15位、ジェンソン・バトン(HONDA)が16位、佐藤琢磨(SUPER AGURI)が17位、ルーベンス・バリチェロ(HONDA)が18位、山本左近(スパイカー)が22位となっている。