アクリル板を溶かすと柔らかスポンジになってしまうことを、阪大教授が発見したそうです。透明なアクリル板を、アルコールと水の混合液に漬けて温めると、柔らかなスポンジに――大阪大の宇山浩教授(応用化学)が、こんな発見をした。 このスポンジには微小な穴があり、ナノテクノロジー(超微細技術)の材料になるという。医療や化粧品などへの応用が期待される。
宇山さんらは他のナノ材料の研究をするうち、アクリル樹脂2〜4グラムを、水20ミリリットル、アルコール(エタノール)80ミリリットルの混合液に漬けて60度に加熱すると溶けることを発見。そのまま冷ますと、液を含んだスポンジができた。溶かす型によって自由に形を変えられる。 スポンジを調べると、約300ナノメートル(ナノは10億分の1)の粒子が連なったナノ多孔体といわれる状態になっており、弾力が生じていた。こうなる理由はよくわかっていない。ナノ多孔体は細かいものを分離・吸着する目的に使われ、DNA分析などのバイオや医療、化粧品などに使われるという。 現在、アクリル樹脂の一部は400度の熱で溶かされ、リサイクルされている。新しい手法について宇山さんは「ゼリーをつくるイメージ。従来に比べ、簡単で安価なリサイクルが可能だ。メーカー工場の廃熱なども利用できる」と話している。 このように世の中、偶然が生み出す発見や成果が数多くありますが、その偶然がなければ、いつか誰かが見つけることができた必然があったのでしょうか?