スーパールーキーであるハミルトンは、「マイケル(ミハエル・シューマッハ)には昨年会ったんだ。その時、彼がかけてくれた言葉は一生忘れないよ」と語った。
「トルコのパドックを歩いていた時に彼が声をかけてくれて、“ファンタスティックなレースだったよ。今日の君の走りは素晴らしかった”ってGP2の走りを褒めてくれたんだ」
現在38歳で、フェラーリの“アドバイザー”を務めているシューマッハは、ハミルトンがGP2のレースで見せた印象的な走りに心を奪われたようだ。今でもシューマッハが目標のドライバーかと問われたハミルトンは、「もちろんさ。ドライバーとしてだけじゃなくね」と答え、こう続けている。
「マイケルは僕に声をかける必要なんてなかったんだよ。彼以外のドライバーも僕に話しかけてくれたけど、マイケルよりも言葉が少ないのにごう慢な態度だったんだ。彼の野心とやる気には感動した。キャリア最後のレースに臨む前にもテストに参加していたんだよ。彼は常に100%の力をささげた。そう、最後の最後までね」
そのハミルトンはバーレーンGPのレースでは2番グリッドからスタートし、見事2位表彰台を獲得。デビュー戦から3戦連続表彰台に上がるという史上初のドライバーとなった。
ハミルトン タイトルを争う準備はできている。
ルイス・ハミルトンは、自身のF1キャリアをたった3戦終えたばかりではあるが、すでにドライバーズチャンピオンシップを争う準備はできていると語っている。ルーキーの彼は、バーレーンGPで2位表彰台を獲得し、キミ・ライコネン、フェルナンド・アロンソとともにチャンピオンシップの獲得ポイントでトップに並んでいる。
タイトルに挑戦することも可能かと尋ねられて、ハミルトンは次のように答えた。「できない理由なんかないよ。僕はアロンソと同じクルマに乗っていて、彼と同じくらいコンペティティブだと思うよ。だから、一貫して今のように力が発揮できれば、勝つことだって可能だと思うし、自信があるよ」
「僕が言ったように、僕たちはミスさえしないようにすればいい。そして、次のレースまでの3週間か4週間を有効に利用して、フェラーリを打ち負かす努力をすればいいんだ」と彼は続けた。
「僕たちは懸命に努力して今の地位を手に入れたんだ。“僕たち”というのは、僕と僕の家族、そしてもちろん、僕たちの競争力について言うならばチームのみんなもだね。とても誇りに思うよ。家に帰るのが楽しみだね。もう9週間も家に帰っていないし、今夜もこれから上海に行かなければならないんだ。でも、来週には帰れるよ」
「応援してくれる人が増えていると思うから、シルバーストンに行ってどれだけたくさんのファンが来てくれているかを見るのが楽しみだよ。まだそういう経験はしたことがないんだ。だから、これも僕にとっては新しいことだね。まだ普通に通りを歩けるといいんだけど」
ハミルトン、デニスに暴言。
予選トラブルの発端はハミルトンのチームからの指示無視
ハンガリーGPでルイス・ハミルトンがマクラーレンのボス、ロン・デニスと激しい口論をしていたことが明らかになった。予選直後、ピットウォールにいたデニスがヘッドフォンをディスプレイに投げつける映像が放送で流れたが、これはハミルトンとの口論が原因だったようだ。
当初、デニスの怒りは、フェルナンド・アロンソがハミルトンの最後のアタックを邪魔したことに対するものだと推測されていたが、イギリス各紙がデニスとハミルトンの無線交信を分析、これによって興味深い事実が浮上した。
ハミルトンはチームラジオを通してデニスをののしり、そこから激しいやりとりが始まったという。
「
二度と僕にこんなナメた真似をするな(Don't ever f*cking do that to me again.)」とハミルトンは言ったと、ニュース・オブ・ザ・ワールド、サンデータイムスなど、イギリスの各新聞が報じている。
これに対してデニスは「
二度と私にそんな口をきくな(Don't ever f*cking speak to me like that.)」と言い返したと言う。
そもそも予選での騒動のきっかけは、ハミルトンがチームの指示を無視して、アロンソの燃料消費ラップを邪魔したことであるといわれている。アロンソの降格によりハミルトンはポールポジションにつき、そこから優勝を飾った。勝利によって状況は多少よくなったものの、予選後にはチームは最悪の雰囲気だったことをハミルトンは認めている。
「戻ってきたら、その場はしんとしていて、ほとんど会話がなかった」と、ハミルトンはレース後の記者会見で語った。
「エンジニアのところに行っていつもどおりデブリーフィングをした。それからマーティン・ウィットマーシュ、フェルナンド、彼のメカニック、僕、僕のメカニックで、プログラムの進行について話をした」
「僕は、なぜやるように言われたことをやらなかったのだと聞かれて、説明をした。“ミスをした。申し訳なかった。もうこんなことはしない。でももう起こってしまったことだし、忘れて先に進もう。ふたりともフロントロウに並んだんだから、落ち込むことはない”とね」
「ロンと無線で口論したから、彼は当然怒っていると思った。彼は教訓を与えてくれたんだと思うから、僕はそれを甘んじて受けた。もちろん昨日は彼はハッピーだったとはいえない。僕らはプロフェッショナルな態度で話し合わなければならなかった。僕は彼に自分の考えを話し、彼はそれを尊重してくれた。彼は “分かった。それもきみの個性の一部だし、きみからすればその方がよかったのかもしれないということで、尊重しよう”と言ってくれた。僕らは互いを理解し、今日は一からのスタートとなった」
「ロンとは10年近い付き合いだ。今回のことはチームにとってとても大きな出来事であり、問題だが、僕らの関係はとても強いものなので、今後こういうことが起こることはないだろう。僕らはさらに上を目指し、さらに向上するべく、前に進んでいくよ」