昨年末のPS3から始まった最新家庭用ゲーム機の発売時に、家電量販店前にできる長い行列の脇に監視員のように立ち、購入後のゲーム機を大量に車に運び込む転売屋。ゲーム購入の列には、日本人以外にも多くの外国語を話す人々が常に大量動員されて、転売目的の業者が雇った「並び屋」も多く、品薄感に拍車をかけているという。 東京地検特捜部は11日、こうした業者を消費税の不正還付を受けたとして逮捕した。ゲーム人気に乗じ、国内外への転売で得た利益にかかる税金を巧妙に免れていた行為は、氷山の一角とみられている。
年末商戦さなかの04年12月。携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」、「プレイステーション・ポータブル(PSP)」が発売され、爆発的な人気を呼んだ。この頃から都内の大手量販店前では、開店前からゲーム機をいち早く入手しようとする人々の行列ができた。量販店関係者は「並び屋と呼ばれる人々が、入荷するころから店舗に張り付き、大挙して押しかけてくる」と話す。 その背景事情の一端が特捜部の捜査で明らかになった。消費税法違反などの容疑で11日に逮捕されたゲーム機器販売会社「栄光」(東京都新宿区)社長の河本侑里香容疑者(46)は、05年3月までの1年間に、仕入れたDS、PSPなどを海外に輸出したように装って税務署に申告。消費税約2300万円を不正に還付させた疑いが持たれている。消費税は国内取引だけにかかるため、輸出商品を仕入れた際の消費税は還付される点に目をつけたようだ。 河本社長は留学生などを並び屋として動員、量販店からゲーム機を大量購入した。その後転売した利益は1台につき数百円。それでも国内外での売れ行きは好調で、年間売り上げは数億円に上った。量販店に寄生するような商法で「薄利多売」を実現していたという。 なるほど!転売屋とはいえかなりの知能犯だということがわかります。諸費税法の抜け道のような税金の還付に目をつけた税金分5%の収入を得るビジネスを構築し実行した、そのアイデアと行動力は一般庶民には思いも付かないグレイ・ビジネスセンスです。 これにはゲーム機を手に入れる情報網と並んで購入する労働力の確保、そしてまず購入代金を賄う資金力がなければ実現できないグレイ・ビジネスですが、お金に対する嗅覚はすごいんですね。。