ロシア科学アカデミーと欧州宇宙機関(ESA)は将来の有人火星探査に備え、モスクワに建設された模擬火星居住棟に6人の模擬宇宙飛行士を約500日間滞在させる長期閉鎖環境実験を来年春から実施するとESA当局者が明らかにしましたが、これって昔?USや日本でも同じことを実験していませんでしたっけ?
調べてみると1992年にアリゾナにバイオスフィア2というプロジェクトが存在していました。これはバイオスフィア1を地球、そしてバイオスフィア2が第二の地球と言う意味で、閉鎖されて地球環境で外部と隔絶された環境で暮らすことで人の心理変化を調べたりする実験だったようです。バイオスフィア2も最終的に火星に設置することを念頭に置いていたようですが、多々問題があって研究成果もぼちぼちだったようです。 日本でも同じ発想で、外界から切り離された生態系実験施設、「バイオスフィア-J」が1995年に青森県六ヶ所村に建設され、実験が行われました。
外界から切り離された生態系実験施設、「バイオスフィア-J」が1995年に青森県六ヶ所村に建設され、実験が始まっています。同様な実験施設としては、1991年アメリカ・アリゾナ州に「バイオスフィア2」が建設され、8人の科学者が2年間内部で暮らした記録が残っています。「バイオスフィア-J」が、「バイオスフィア2」と異なるのは、自然の要素をいっさい排除し、“人工の自然”で構成されている点です。 バイオスフィア-J 植物栽培実験施設、動物飼育実験施設、陸・水圏実験施設の三つの閉鎖型施設から成る「バイオスフィア-J」では、将来の宇宙ステーションや月面基地での生活を想定し、自給自足を基本として、酸素と二酸化炭素をバランスさせ、植物を育て動物を飼育し、水や大気を循環させ、廃棄物の処理も微生物の力で行います。 現代版“ノアの箱舟”ともいえるこの実験施設では、プラスチック製のバイオフィルターや空気フィルターをはじめ、さまざまなプラスチックが活躍しています。