コーヒー生豆から抽出した成分で、血液型AとB、AB型の赤血球をO型の赤血球に変えることのできる酵素を米ハーバード大などの国際研究チームが開発したそうですが、これってコーヒーを飲むと血液型がO型に変わっちゃうなんてことないですよね。。。 この研究成果を、米国の専門誌ネイチャー・バイオテクノロジー(電子版)に1日掲載されるそうです。O型の血液は、どの血液型の患者にも輸血できるため、実用化すれば、輸血用血液の血液型の偏りを解消できるなど、医療の分野でその有用性が広がる可能性があるのです。
血液型のA型やB型、AB型の赤血球を、コーヒー生豆から抽出した新発見の酵素を使い、効率良くO型に転換することに成功したと、米ベンチャー企業ザイムクエスト(マサチューセッツ州)やデンマークのコペンハーゲン大などの国際研究チームが2日、米科学誌ネイチャー・バイオテクノロジーの電子版に発表した。 これまでに、B型からO型への転換は、ロブスタ種のコーヒー生豆から抽出した酵素を使う方法が開発され、臨床試験まで進んでいる。しかし、酵素を大量に必要とするため、実用性が低かった。また、A型からO型への転換に成功した例はなかった。 O型の血液は、患者の血液型が不明だったり、他の型の血液が不足したりした場合、非常手段として少量なら他の血液型の患者に輸血できる利点がある。今回の方法が実用化されれば、不足しがちなO型の確保が容易になると期待される。 赤血球の表面は、毛のような糖鎖で覆われている。その糖鎖の先に結合している糖の種類によって、A、B、AB型に分かれ、何もついていないのがO型。結合している糖の種類が違うと輸血時に拒否反応が起きるため、O型以外の赤血球は輸血対象が限られる。緊急時など患者の血液型が不明な時はO型を使う。 血液型 ちがう血液をまぜたとき、赤血球(せっけきゅう)が集まって小さなかたまりができるものと、できないものがあります。この性質(せいしつ)から血液の種類を分類したものを、血液型といいます。血液型にはいろいろな分け方がありますが、とくに有名なのが「ABO(エイビーオー)式血液型」です。ABO式血液型では、A 型、B型、AB型、O型の4種類に分けられます。 血液型は、親の遺伝子(いでんし)を受けつぐことによって決まります。ABO式血液型の遺伝子には、A・B・Oの3種類があります。父親の精子(せいし)と母親の卵子(らんし)が受精するときに、それぞれの遺伝子を半分ずつ受け取ります。このとき、血液型の遺伝子は父親と母親からひとつずつ受けついで、その組み合わせによって決まります。 遺伝子の中には、1つでもあればその性質があらわれる「優性(ゆうせい)」の遺伝子と、2つ合わさらないと性質をあらわせない「劣性(れっせい)」の遺伝子があります。血液型の場合、AとBはOに対して優性ですが、AとBの間は、どちらにも優性、劣性の差はありません。したがって、A型にはAAの組み合わせとAOの組み合わせの場合があり、B型にはBBの場合とBOの場合があります。ABの組み合わせはAB型、OOの組み合わせはO型となります。 例えば、A型どうしの親に生まれた子どもの場合をみてみましょう。 A型の血液には、遺伝子の組み合わせがAAの場合とAOの場合があります。父親も母親もAAなら、子どももAAとなり、A型しか生まれません。AAとAOの親であれば、その子どもはAAかAOとなりますが、AはOに対して優性なので、やはりA型しか生まれません。しかし、父親も母親もAOなら、子どもはAA、AO、OOの組み合わせがあります。OOの場合は、O型となります。B型どうしの親のときも、同じような組み合わせ方が考えられますね。 それでは、親がA型とB型のときはどうなるでしょうか。 A型の親は、AAの場合と、AOの場合が考えられます。 B型の親は、BBとBOの場合が考えられます。 AAとBBであれば、子どもはABですから血液型もAB型となります。 AAとBOの親であれば、子はABかAOとなり、AB型かA型となります。 AOとBBの親であれば、子はABかBOとなり、 AB型かB型となります。 そして、AOとBOの親の場合は、子はAB、AO、BO、OOの組み合わせがありますので、AB型、A型、B型、O型の4種類の血液型が考えられます。