ガートナー ジャパンのリサーチ部門は3月28日、日本における2006年通年の携帯電話端末対エンドユーザー販売台数が、対前年5.1%増の4726万台に達したと発表した。2003年の4871万台に次ぐ、史上第2位の規模という。
2006年は、10月24日に携帯電話の番号ポータビリティ(MNP)が施行され、下半期を中心に携帯電話事業者と端末ベンダーによる新機種開発や販売競争が活発化した。これを受けて、2006年第4四半期(10〜12月)には、MNP利用ユーザーによる契約先携帯電話事業者変更が生じ、これに伴う端末購入やMNP非利用ユーザーの端末買い換えが促進された。2006年の販売台数の増加は、この効果による。 ベンダー別販売台数では、シャープが第1〜4四半期を通じて首位を維持し、初めて通年で第1位となった。同社は、2006年5月発売のワンセグ放送対応「AQUOSケータイ」をはじめとする機種によって、ソフトバンクモバイル端末市場における販売台数を拡大。高い占有率を維持している。また、ドコモ向け端末市場でも、高精細大画面液晶および充実した音楽再生機能によって顧客層を広げた。 通年第2位はパナソニック。 2006年を通じて対エンドユーザー販売台数においてNECと拮抗状態にあったが、わずかな差で同社が優位に立った。年間を通じてドコモ向け高位機種(FOMA900シリーズ)の販売が高水準で推移したことが、成功の要因と考えられる。 第3位のNEC ドコモ向けでこれまでやや低調であった中位機種(FOMA700シリーズ)の販売が拡大しつつあり、同社の携帯電話端末販売に復調の兆しが見られる。 四半期ごとに販売台数および順位が大きく変動した東芝は、通年では2005年に続き第4位。音楽機能を訴求ポイントとして第2四半期に販売台数を大きく伸ばしたが、他社から相次いで音楽機能重視端末が発売された下半期は、販売台数が伸び悩んだ。 富士通は、ドコモ向けのFOMAらくらくホンシリーズの販売が堅調に推移し、前年の第6位から1つ順位を上げて5位となった。ただし、第4四半期には音楽機能重視端末でソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズが急速に販売台数を拡大し、第4位、第5位をめぐる競争はますます激しくなっている。 ガートナーでは、2006年4月以降ワンセグ放送チューナー内蔵機種が人気を集めているが、機能面ではこれに続く買い換え需要促進要因が登場するまでにしばらく時間がかかると見込んでいる。そのため、2007年後半から2009年前半にかけては需要が停滞すると考えられ、その間、端末デザインや薄型形状が買い換え需要を牽引すると予想している。