「Smoking & Skin Aging」の調査結果によれば、皮膚の老化を示すしわ/しみ/たるみ/くすみなどの状態は、同じ年齢でも喫煙者になると著しく増加した。 また、喫煙者の中でも、1日に吸うタバコの本数が多ければ多いほど、皮膚の老化現象が際立って観察されたようだ。喫煙者の皮膚に生じている老化は、65歳を超えると、さらに非喫煙者との差が開く傾向にあり、急速に老化が進んでしまう状況も明らかになった。
Cleveland Clinicは、喫煙が皮膚に与える影響などを調査した最新レポート「Smoking & Skin Aging」の発表を行った。医学専門誌「Archives of Dermatology」の今月号に、詳細な調査レポートが掲載されている。 Cleveland ClinicのDavid Bronson博士は「喫煙が老化を早めることは、喫煙者の顔を観察すれば気づくこともあるが、大抵の人は(顔のしわなどを)紫外線のせいにする傾向がある。しかしながら、今回の調査は、ただ紫外線だけが原因とはならないことを実証するものとなっている。目に見えない部分でも、人体の他の組織において、喫煙は老化を早める影響を及ぼしていることを忘れてはならない」とコメントした。 このレポートは、22〜91歳の男女82名を対象に実施した調査に基づくとされる。調査対象者はいずれも、特に大きな健康上の問題を抱えていない人の中から選ばれたようだ。調査は、全員の上腕部の写真撮影を行い、9ポイントの「Photonumeric Scale」測定法などで、皮膚の老化度合を数値的に分析していく方式で進められたほか、喫煙を始めとする日々の生活習慣をチェックするためのインタビューが実施されたという。 今回の調査は、一般的に喫煙者の皮膚の老化が非喫煙者よりも進んでいる点に関して、喫煙以外の要因を十分に考慮したものではないため、今後さらなる調査が実施される予定になっている。 ■