自動車のF1世界選手権の興行面を統括するF1アドミニストレーションズ(FOA)のバーニー・エクレストンは、「富士スピードウェイでの日本GPを、夜間レースにしたい」との意向を明らかにした。これ以外にも、F1レースを東京の市街地で行いたいという構想をぶち上げた。F1は新たな開催地に公道レースを次々と導入しており、東京開催が実現すれば、静岡・富士スピードウェイでの日本GP(今年は9月30日決勝)と合わせ日本で2レースを行う意向だ。
今季第15戦(決勝9月30日)の日本GPは昼間に行われるが、「関係者と協議の上で、早ければ来年から夜間レースを実施したい」と語った。同会長は、豪州GPについても夜間レースを提案している。 夜間レースは、ライトを持たないフォーミュラカーでは、米国のインディカーで行われているが、F1での開催はまだない。しかし、F1チーム関係者によると、「コース全域に照明を設置すれば可能」という。 FOAは、アジア、豪州でのF1について、「昼間開催では、時差の関係で欧州では早朝のテレビ放映になり、視聴率が低い」と問題視。夜間レースを強力に推し進める考えだ。 一方、富士スピードウェイの斎藤明彦会長は「まだ、その意向は聞いていない」とした上で、「照明設備だけでなく、安全面などで多額の投資が必要になる」と困惑の表情で話した。 また、エクレストン会長は、鈴鹿サーキットのF1開催について、親会社のホンダ・福井威夫社長らと会談したが、「開催は、富士と契約終了後の2012年以降しかありえない」と回答した。 F1・東京GP実現?…FIA会長が構想 東京で公道F1レースが実現!? F1界の実力者、国際自動車連盟(FIA)のバーニー・エクレストン副会長が4日、F1レースを東京の市街地で行いたいという構想をハンガリーのハンガロリンクでぶち上げた。F1は新たな開催地に公道レースを次々と導入しており、東京開催が実現すれば、静岡・富士スピードウェイでの日本GP(今年は9月30日決勝)と合わせ日本で2レースを行う意向だ。
F1の興行にかかわる数々の権利を有し、開催地選定に大きな影響力を持つエクレストン副会長が、夢のような計画を口にした。東京での市街地GP開催−。
「日本では毎年1レースは続ける。だが、東京都心でレースを行うなら話は別だ。私は日本のテレビ局と、このアイデアの実現性を探っている」
日本のテレビ局とは、放映権を持ち、日本GPの冠スポンサーでもあるフジテレビ以外あり得ない。コースは、道路幅が広いうえ生活道路から切り離しやすく、フジテレビの本社がある港区台場周辺がぴったりの最有力候補。同局関係者は「今のところ何も聞いていない。しかし、本当に開催できるのなら大歓迎だし、お手伝いする用意はある」と大乗り気だ。
実は、東京での市街地レースは夢物語ではない。石原慎太郎・東京都知事はかつて「お台場公道F1GP」構想をぶち上げ、三宅島での公道オートバイレースを企画(その後縮小)するなど、モータースポーツ誘致に積極的。9月に台場で自動車メーカー各社が集まって開催する「モータースポーツ・ジャパン」の名誉会長にも就任した。このイベントでは警視庁の協力で公道でのデモ走行を行う計画もあり、環境整備は進んでいる。
もちろん、開催には警察当局の説得などさまざまな難関があり、日本でも過去何度か構想が浮上してはとん挫した経緯がある。国際格式で唯一、公道で行われる世界ラリー選手権(WRC)ラリー・ジャパンも、1999年に構想が具体化してから04年のWRC昇格まで5年かかった。道は遠いが、実現すれば、日本に再びF1ブームが到来するのは間違いない。