普段の寝不足、休日に補えません−。休みの日に遅くまで寝ている人ほど、不眠や抑うつを訴える割合の高いことが17日、働く人を対象とする内村直尚久留米大助教授(精神神経学)の調査で分かった。平日の睡眠時間の短さは、抑うつと強く関連していた。 人間の体は、昼間は体内の温度や血圧が上がり、脈も強く速くなる。逆に、夜は反対の変化が起こる。この仕組みを調節しているのが、脳の奥の方にある体内時計。目から太陽の光を認識すると、体内時計は、「今が朝」と時刻あわせを行い、その後12時間ほどが活動モード、14〜16時間たつと、休息モードに入る。起床が遅くなると、体内時計がずれ、夜になっても活動モードのままで、なかなか眠れないという現象が起きる。
週末、不足した睡眠時間を取り戻そうと、正月休みはお昼近くまで寝ようと思っている人も多いだろう。しかし、実は、中高年世代には寝だめは禁物。体内時計が狂い、不眠を引き起こしかねないのだ。さらに、不規則な睡眠習慣や睡眠不足で、鬱病(うつびょう)を招く危険性まである。 うつ病と不眠は、実は神経質、きちょうめん、完璧(かんぺき)を目指すなど、「かかりやすい人の素因がどうも共通している」と同教授。心身へのストレスが、不眠と同時にうつ病をもたらす可能性もあり、「うつ病を防ぐためにも、きちんと眠る生活習慣を身につけてください」と話す。 中でも大切なのが、「仕事の休みの日に長く寝すぎないこと」。休みの日に、暗い部屋で昼近くまで寝ていると、「体内時計が狂ってしまい、それがきっかけで、不眠が始まることもある」(同教授)からだ。 特に中高年世代の場合、加齢が原因で、体内時計が一度狂ってしまうと、もとにもどすのに時間がかかる。「いくらでも眠ることができる若いころと違い、長時間眠っても日ごろの埋め合わせはできなくなる」(同教授)というわけだ。 同助教授は「時間が不規則だと熟睡感が得られない。良い睡眠のためにはできるだけいつも同じ時間に起きることが重要」としている。
快眠のための10カ条 (1)睡眠時間は人それぞれ。日中の眠気で困らなければ問題なし …睡眠時間は季節や年齢でも変化するもの。8時間睡眠にはこだわらない (2)寝る前には刺激物を避け、自分なりのリラックス法を …就床前4時間のカフェイン(コーヒー、お茶など)摂取、就床前1時間の喫煙は×。軽い読書、音楽、ぬるめの風呂などでリラックス (3)眠くなってから床に就く。就床時間にはこだわらない …眠ろうとする意気込みは頭をさえさせ、かえって寝つきを悪くする (4)同じ時刻に毎日起床 …早起きは早寝に通じる。休日も同じ時刻に起床 (5)目が覚めたら日光を部屋に入れる。夜は明るすぎない照明で …光の活用が快眠の鍵。日光は、体内時計を合わせてくれる (6)規則正しい3度の食事と規則的な運動習慣 …朝食は心と体の目覚めに重要。適度な運動で熟睡を促進 (7)昼寝をするなら午後3時前の20〜30分 …3時以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響。長い昼寝もぼんやりする原因に (8)眠りが浅いと思ったら、積極的に遅寝・早起きに …寝床で長い時間を過ごしすぎると、寝ているつもりでも熟睡感は少ない (9)睡眠薬代わりの寝酒は厳禁 …アルコールは深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因になる (10)睡眠薬は医師の指示で正しく使用 …一定時刻に正しく服用すれば習慣性もない。アルコールとの併用は厳禁
(1)睡眠時間は人それぞれ。日中の眠気で困らなければ問題なし …睡眠時間は季節や年齢でも変化するもの。8時間睡眠にはこだわらない
(2)寝る前には刺激物を避け、自分なりのリラックス法を …就床前4時間のカフェイン(コーヒー、お茶など)摂取、就床前1時間の喫煙は×。軽い読書、音楽、ぬるめの風呂などでリラックス
(3)眠くなってから床に就く。就床時間にはこだわらない …眠ろうとする意気込みは頭をさえさせ、かえって寝つきを悪くする
(4)同じ時刻に毎日起床 …早起きは早寝に通じる。休日も同じ時刻に起床
(5)目が覚めたら日光を部屋に入れる。夜は明るすぎない照明で …光の活用が快眠の鍵。日光は、体内時計を合わせてくれる
(6)規則正しい3度の食事と規則的な運動習慣 …朝食は心と体の目覚めに重要。適度な運動で熟睡を促進
(7)昼寝をするなら午後3時前の20〜30分 …3時以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響。長い昼寝もぼんやりする原因に
(8)眠りが浅いと思ったら、積極的に遅寝・早起きに …寝床で長い時間を過ごしすぎると、寝ているつもりでも熟睡感は少ない
(9)睡眠薬代わりの寝酒は厳禁 …アルコールは深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因になる
(10)睡眠薬は医師の指示で正しく使用 …一定時刻に正しく服用すれば習慣性もない。アルコールとの併用は厳禁