自動車レースのF1世界選手権で参戦2年目を迎えるスーパーアグリは14日、開幕戦オーストラリア・グランプリ(決勝18日)が行われるメルボルンのアルバートパーク・サーキットで新車「SA07」を発表した。昨年までの曲線を多用したカラーリングから、直線的なカラーリングに『SS UNITED GROUP』のスポンサーロゴが目を引くSA07。
当初3月12日に東京で行なわれる予定だった新車発表は、2日遅れでアルバートパーク・サーキット内のパドックで実施された。 プレスリリースによると、ニューマシン『SA07』はチーフデザイナーのピーター・マックールが率いるSUPER AGURI F1チームのデザイン部門と、Hondaの栃木研究所が8ヶ月をかけて共同開発したもの。パワーと信頼性を兼ねるホンダV8エンジンを搭載し、カーボン・ギアボックスもホンダから供与された。 一時はFIA(国際自動車連盟)のクラッシュテストに不合格との報道もあり、ニューマシンの開発具合が懸念されたが、リリースでは、「FIAのクラッシュテストは『SA07』の開発過程における大きなチャレンジとなった。 車体のデザイン上では、ノーズボックスのデザインを大幅に変更しなければならなかったし、リヤ中央のディフューザーのデザインにもエアロダイナミシストが頭を痛めることになった。リヤの衝撃構造がダウンフォースに与える影響を最低限に抑える方法を見つけるために、チームは研究に膨大な時間を費やした。 その結果、V8エンジンが生む空力効率とブリヂストン・ポテンザタイヤのコンビネーションが効率のよいリヤのダウンフォースを生み、これが2007年のチームのカギを握る要素となった」と、苦労を乗り越え、着実に手応えを得たとした。 待望の新車が開幕に間に合い、鈴木亜久里代表は「去年の今ごろは、まだグリッドに2台のマシンを並ばせるために奮闘していた。今年はシーズン前に(テストなどの)準備ができ、チームの誰もがスタートを待ち切れない気分でいる。開幕戦からポイント獲得(8位以内)を目指す」とのコメントを発表した。 琢磨は1シーズンをSUPER AGURI F1チームで過ごした経験があり、チームの理念やスタイル、そしてスタッフのこともよく理解している。ニューマシンがあれば、今年はもっと結果を出すことができるだろう。アンソニーはHondaで5年間テストドライバーを務めた経験があるので、その豊富な経験を活かしてくれると思う。 この『SS UNITED GROUP』は中国の石油会社で、マシンのフロントウイング、サイド等に大きくロゴが貼られていることから、メインスポンサーと考えていいだろう。また、新たにイギリスのスピーカバス社とレース用インターコムについてスポンサー契約を結んだことも発表されている。