東京マラソンは東京・新宿の東京都庁を車いすの部は午前9時5分、世界選手権日本代表を争う男子の有力選手をはじめとした一般ランナーと、10キロの部は午前9時10分にスタートする。銀座、浅草などの観光名所を回り、臨海副都心の東京ビッグサイトがゴールとなる。給水用に水のペットボトル40万本、栄養補給用にバナナ約3万7000本などを用意する。
ランナーへのサポート態勢も大がかりだ。選手の着替えなどをゴールの東京ビッグサイトまで運ぶのは11トントラック36台。約2・5キロごとに設けられる給水所では、紙コップを並べた段ボール箱を積んでランナーを待ち受ける。意外な弱点になりそうなのはランナー用のトイレで、スタート地点の都庁前には当日、仮設トイレが600基用意されるが、全員が使うと1人1分でも1時間かかる計算で、増設も検討されている。
シューズのひもに通して着けるタイム計測用の「RCチップ」は、5キロごとの通過タイムをセンサーで読み取り、家族や知人も携帯電話で見られる仕組みになっている。 この第1回「東京マラソン」で、約100人の医師や看護師が3万人の市民ランナーと並走する。突然の心不全や不整脈に備え、電気ショックを与える医療機器「自動体外式除細動器」(AED)44台も配備。 石原慎太郎都知事の肝いりで行われる国内史上最大のマラソン大会。「絶対に死者を出してはいけない」と大会関係者はランナーの突然死を防ぐ、あの手この手の医療支援に懸命だ。 医療支援の走者として協力するのは、NPO法人「日本医師ジョガーズ連盟」(JMJA、萩原隆代表)のメンバー。大会当日は大勢のランナーの中でも分かりやすいよう赤十字のマーク入りゼッケンをつけたうえで、頭の上には風船を付ける。 スタートとゴールに計3カ所のメディカルセンターが設けられるのに加え、コース上の12カ所にも救護車が待機。医師らは携帯電話を持ち、体調不良を訴えるランナーが出た場合、これらの医療拠点とも連絡を取りながら応急処置を施す。 AEDは、大手の製造販売会社「日本光電」(東京都新宿区)が提供。固定式が36台、携帯式が8台で、携帯式については、国士舘大体育学部の学生が「モバイル隊」を組織。自転車でコースを伴走し、警戒する。 日本陸上競技連盟医事委員会が実施したロードレースに関する調査によると、02年3月〜04年3月の2年間だけで15人が死亡している。中年男性がゴール前後で死亡するケースが多く、死因は急性心不全が目立った。日本陸連は各大会事務局に対し、参加者に体調の事前チェックなどを促すよう通知した。東京マラソンでも参加者にはスタート前のチェックリストを配っている。 東京マラソン、メダルずっしり純金・純銀・純銅 「東京マラソン2007」メダルを製作したのは、老舗貴金属店の「GINZA TANAKA」(東京・銀座)。金、銀、銅の各メダルは、メッキではなく、純金、純銀、純銅で製作した。盾を形取り、大きさはいずれも縦7・7センチ、横6センチ。金メダルは重さ300グラムあり、時価約80万円相当の24金を使用する。 ◇東京マラソンでの交通規制は次の通り。 東京都庁周辺(都庁通り等)6時半〜10時 都庁北←→新宿5(北通り、靖国通り等)8時35分〜10時25分 新宿5←→市谷見附(靖国通り)8時半〜10時50分 市谷見附←→飯田橋(外堀通り)8時45分〜11時5分 飯田橋←→竹橋(目白通り、専大通り等)8時40分〜11時10分 竹橋→日比谷(内堀通り、晴海通り等)8時55分〜11時半 日比谷←→御成門(日比谷通り)8時55分〜13時15分 御成門←→芝5(日比谷通り)9時〜13時 芝5←→品川駅高輪口付近(第1京浜)8時55分〜12時45分 日比谷→銀座4(晴海通り)9時25分〜15時20分 銀座4←→日本橋(中央通り)9時半〜15時20分 日本橋←→茅場町1(永代通り)9時半〜15時5分 茅場町1←→浜町中ノ橋(新大橋通り)9時半〜15時 浜町中ノ橋→東日本橋(清洲橋通り)9時半〜14時50分 東日本橋←→蔵前1(清杉通り、江戸通り)9時35分〜14時45分 蔵前1←→(浅草雷門前)駒形橋西詰(江戸通り等)9時35分〜14時半 銀座4→築地4(晴海通り)9時45分〜15時25分 築地4→佃大橋西(新大橋通り等)9時50分〜15時40分 佃大橋西→春海橋西(佃大橋、朝潮大橋)9時50分〜15時55分 春海橋西→東雲1(晴海通り)10時〜16時15分 東雲1→東京ビッグサイト前(都橋通り等)10時5分〜16時35分 東京ビッグサイト前→フィニッシュ(ビッグサイト駐車場内)10時10分〜16時40分
ジェンガ優勝、佐藤2位 東京マラソン=差替
日本初の大規模都市型マラソン、東京マラソンは18日、西新宿の東京都庁前から臨海副都心の東京ビッグサイトまでの42・195キロで行われ、10キロや車いすの部と合わせて国内では過去最多の3万870人の参加者が雨の首都を走り抜けた。 午前9時10分、東京都の石原慎太郎知事の号砲でスタートしたフルマラソンは皇居、東京タワー、銀座、浅草など都心の主要な観光名所を通過。今夏、大阪で開催される世界選手権の選考会を兼ねた男子はケニア出身のダニエル・ジェンガ(30)=ヤクルト=が2時間9分45秒で優勝し、佐藤智之(26)=旭化成=が2位、入船敏(31)=カネボウ=が3位で続いた。 完走の制限時間は7時間で、午後4時すぎまで都内各所で交通規制が敷かれる。銀座は目抜き通りが通行禁止、浅草の雷門前は折り返しコースに囲まれた地域が「陸の孤島」になった。女子は有森裕子(40)=リクルートAC=が引退レースとして出場した。