「パワー・フォー・リビング」って何だ !?と不思議に思っている読者も多いはず。日ハムのヒルマン監督や「異邦人」の久保田早紀など各界の有名人が登場し、「無料で書籍を差し上げます」と呼びかけている。「何あれ?」最近TVで流され、新聞でも大きな広告が出ている「パワー・フォー・リビング」だ。
「広告費用は総額で10億円を超える」というから大キャンペーンである。 ヒルマン監督が「私が神を信じた時から、どんな試練も苦しいと感じたことはなかった」とか、久保田が「私は神を信じたのです」とか言うものだから、ネット上でも「カルト教団か?」と話題になっているのだ。 この“謎”の書籍を無料で配っているのは、米フロリダ州に本部がある「アーサー・S・デモス財団」。生命保険業で財を成したアーサー・S・デモス氏が1955年に設立し、総資産は数百億円ともいわれる。 中絶や同性愛に反対したり、進化論を否定するキリスト教の保守派を支援している財団で、関連の組織とか弁護士などにも多額の寄付をしています。そのため米国では、常に慈善団体の上位にランキングされる。財団そのものに教義はないし、信者を勧誘しているわけでもないので『カルト教団』とは言い切れない。しかし、マスコミの取材を受けない徹底した秘密主義で、実態はベールに包まれています。 パワー・フォー・リビングにしたって、原書はプロテスタントの牧師が書いた“入門書”みたいなもの。日本語版も「神はあなたを愛している」といったメッセージと、クリスチャンになった有名人の体験談などがつづられているだけだ。 米国では半年で33億円と、大統領選を超える金額のキャンペーンを張った。ドイツでも01年から配布が始まりましたが、宗教思想を宣伝するという理由でCMは放送禁止になっている。いよいよ日本上陸というわけです。 ドイツでは新興宗教とのかかわりを批判する声も出ていた。日本でもTBSとフジテレビはCMを流していない。なぜ、いま日本なのかという疑問も残ります。 謎だらけだけに、何となく気味が悪い。