2006年にはゾンビマシンを利用したスパム送信が活発に行われた「ゾンビマシン」の大発生の年!スパムメールも高等化して画像スパムも大量に発生した。1日に推定では1200Tバイトものインターネットの帯域を消費している。2006年は「ゾンビの年」だったとセキュリティ企業Commtouchが発表した。
ゾンビとは、マルウェアに乗っ取られてスパム送信やサイバー攻撃の踏み台として利用されているコンピュータ。セキュリティ企業Commtouchの調査によれば、2006年のスパム送信の85%はゾンビマシンによるものだったという。 ゾンビマシンが最も多い国は米国で、全世界のゾンビの21%を占める。2位はドイツで9%、3位はスペイン(6%)、4位はフランス、中国、ポーランド、イタリア(それぞれ5%)だった。 Commtouch Labsの推定では、ゾンビIPアドレスの数は600万〜800万、1日に生まれる新しいゾンビマシンの数は50万、また典型的なボットネットは2時間で1億6000万通のスパムを送信する。 セキュリティ企業Commtouchの調査では、電子メールに占めるスパムの割合は87%に達し、前年よりも30%増えたという。中小企業ではこの割合は45〜65%だが、無料電子メールサービスでは95〜98%にも上る。 さらにセキュリティ企業Commtouchは、2006年には画像スパムが「開花」したと報告している。画像スパムとは、スパム対策ソフトを回避するために、文字の入ったGIF画像を利用したスパムのことだ。フィルタリングを回避するために、画像の背景のピクセルのランダム化、枠の色を変える、アニメーションGIFを使うなどの手法を利用している。 こうした画像スパムは大幅に増え、スパム全体に占める割合は前年の10%から35%に拡大したという。テキストベースのスパムよりも容量が大きいため、ネットワーク帯域を大きく消費するという問題も生じている。
2006年の画像スパムによる帯域増 全世界で1日に送信される電子メールの数 1600億通(推定) その中のスパムの数 1600億通×87%=1400億通 画像スパムの数 1400億通×35%=480億通 画像スパムの容量 平均25Kバイト×480億通=1200T(テラ)バイト テキストスパムの数 1400億通×65%=920億通 テキストスパムの容量 平均5.5Kバイト×920億通=500Tバイト 1日に送信されるスパムの容量 1200+500=1700Tバイト