小惑星への離着陸を世界で初めて昨年達成した宇宙航空研究開発機構の探査機「はやぶさ」の後継機が2010年にも打ち上げられる見通しとなった。地球と火星の間を回る小惑星に着陸して破片などを回収、2016年ごろの地球帰還を目指す。
小惑星は太陽系が誕生した46億年前の姿をとどめるとされ、太陽系形成の仕組み解明に役立つと期待される。 宇宙開発委員会のワーキンググループが21日、5年以内に後継機を打ち上げる目標を報告書案に盛り込んだ。計画によると、10年11月に地球を出発、13年5月に「1999JU3」と呼ぶ小惑星に到着することを検討している。試料を回収して14年に地球へ向け出発、16年12月に帰還する。 小惑星探査機「はやぶさ」、地球帰還準備が本格化 昨年11月に地球から約3億キロ離れた小惑星イトカワへの離着陸に成功した宇宙航空研究開発機構の探査機「はやぶさ」が、今月から地球帰還に向けた準備を本格的に始める。化学エンジンやバッテリーに故障を抱え、準備作業には通信途絶や爆発の危険が伴う。一辺1.5メートルほどの小さな機体が厳しい状況を乗り越え、地球へ向かう針路を目指そうとしている。
■2007年2月にイトカワ軌道を離脱し、2010年6月に帰還させる軌道計画案。青がイトカワで、赤がはやぶさの軌道。太陽と地球を固定させた図になるので、実際の軌道とは見た目が異なる(提供:ISAS/JAXA)
探査機はやぶさ、航行用エンジンに不具合 宇宙機構 宇宙航空研究開発機構は24日、小惑星イトカワへの着陸後、地球帰還を目指している探査機「はやぶさ」について、長距離航行用のイオンエンジンに不具合が発生し、一部の運転を停止したと発表した。4台あるエンジンのうち正常に運転しているのは1台のみとなった。10年6月の地球帰還は可能というが、不安要因が増えたことになる。 宇宙機構によると、今月20日、試験運転中だった1台のエンジンで電圧が上がる異常が発生した。原因は不明で、運転を中止した。今後しばらくはエンジン1台だけを運転して、地球へ向けて飛行する予定という。 エンジン担当の國中均教授によると、動作が安定せず、これまで使っていなかったほかの2台のエンジンの運転を再開することも検討している。 プロジェクトマネジャーの川口淳一郎教授は「帰還できないと決まったわけではないが、見通しは厳しい」と話した。
宇宙航空研究開発機構は24日、小惑星イトカワへの着陸後、地球帰還を目指している探査機「はやぶさ」について、長距離航行用のイオンエンジンに不具合が発生し、一部の運転を停止したと発表した。4台あるエンジンのうち正常に運転しているのは1台のみとなった。10年6月の地球帰還は可能というが、不安要因が増えたことになる。
宇宙機構によると、今月20日、試験運転中だった1台のエンジンで電圧が上がる異常が発生した。原因は不明で、運転を中止した。今後しばらくはエンジン1台だけを運転して、地球へ向けて飛行する予定という。
エンジン担当の國中均教授によると、動作が安定せず、これまで使っていなかったほかの2台のエンジンの運転を再開することも検討している。
プロジェクトマネジャーの川口淳一郎教授は「帰還できないと決まったわけではないが、見通しは厳しい」と話した。