「バトル・ロワイアル2」「スケバン刑事」を手掛けた深作健太監督の新作映画「XX(エクスクロス)」(2007年公開)に、歌手の鈴木亜美(24)と女優の松下奈緒(21)がダブル主演する。 ともに映画初主演。内容はサスペンス・スリラーで亜美の女優業への本格進出作。すでに撮影は始まっており、健太監督は歌のステージにまさる亜美の魅力をスクリーンに映し出してみせるつもりだ。
アイドル歌手として活躍してきた鈴木亜美が、本気で「女優」という肩書を増やそうとしている。「XX」は、第1回「このミステリーがすごい!」でも上位に食い込んだ上甲宣之著「そのケータイはXXで」(宝島文庫刊)が原作。山奥の温泉地を訪れた女子大生が、次々に襲ってくる恐怖体験の中で携帯だけを頼りに“脱出”を図ろうとするホラーサスペンス。 亜美は秋に公開された映画「虹の女神 Rainbow Song」(熊澤尚人監督)でスクリーンデビューしているが、出番はわずかで、今作が映画本格進出となる。 劇中では、活発な女性・愛子役。撮影は先月21日にすでにクランクインし、役に没頭する日々。「長丁場のロケ。私にとって、愛子はきっと一生離れない人物になる」と、演じるごとに目覚め始めている。 もう一人の主役は現役音大生ピアニストとしても活動する松下奈緒。映画「アジアンタムブルー」では映画初出演でヒロインを演じたが、亜美と同じく今作が映画初主演となる。 撮影は佳境に入っている。「どんどん仲良くなってる。実際には全然違う性格だけど、いい意味で正反対の部分が話に盛り込まれていくといいな」と松下は話す。
亜美はアイドル歌手として人気絶頂期に一時休業、そして復帰と紆(う)余曲折の道を歩んできた。「私自身も見たことのない表情とかがいっぱいある。見る方にもいろんな表情を見てもらいたい」と、日に日に女優らしさを増している。 34歳ながらチャンスに恵まれ、話題作を手がけてきた深作監督も意欲十分。亜美について「身体能力が高く、ダンスもできるので、その特性を生かして、ステージなどでの魅力をどれだけ映像に焼き付けられるか」とスクリーンに映し出される亜美の姿を楽しみにしている。