海水魚を飼育する上で必要なもの、水槽の立ち上げ、日常の管理について簡単にまとめてみました。これから、海水魚を飼育してみようと思われる方は、是非ご参照頂ければと思います。 1)必要な器具を揃えよう 海水魚を飼う為には、概ね以下の器具を準備します。また、必要に応じて他器具も必要な場合がありますので、一般的な海水魚飼育を想定しております。
【水槽】 水槽の置き場所や飼育したい魚の数を考慮して決めましょう。初めて飼育される方にお奨めなのは一般的には60cm水槽(当店扱いの90cmスリム水槽も容量は60cm水槽と同等)と言われます。これは、小さい水槽だと飼育できる魚の数が限られる事、水温や水質の変動が非常に起こりやすい事などによります。但し、飼育数を限定する事で、小型水槽でも十分に楽しむ事は可能です。 水槽を置く場所について 《環境》 あまり直射日光が当たる場所だと、コケもすぐ生えるし、特に夏場は水温が上がって大変です。玄関は気温の変化が激しく、またなかなか目が行き届かないので、リビングが理想だと言われています。そうは言っても日本の家庭事情、場所がどこというより、毎日良く見てちょっとした変化に気がつくことが重要ですよね。 《床》 ちょっとしたことで海水がかかってしまうこともありますので、床には下にビニールシートを1枚引いたり、台の下にコンパネを1枚敷くなどの、床の保護対策を最初からしておいたほうがいいとおもいます。(後になったらできませんから) 《壁》 水しぶきが結構あがりますので、普段はフタをしていても何かにつけて塩がこびりつきます。うちは水槽の後ろにつっぱり棒を渡し、ビニールのカーテンを吊り下げています。 《台》 水槽は意外と重いので、しっかりした台の上に置くのが望ましいと思います。専用の台を使用できるといいですが、自作される方も多いです。鉄製だと海水がかかって錆びてしまい、長年経つと朽ち果ててくるので、木製がいいと思います。 コンセントについて ポンプ、照明、エアレーション、ヒーター、プロテインスキマー、クーラー等々機器が増えるにつれて、コンセントの数がどんどん必要になってきます。最初からある程度の数を確保しておくといいと思います。海水がかかると漏電の危険があります。地震等で水がかからない工夫が必要です。 【ライト】 魚を綺麗に見せます。一日で決まった時間帯に点灯させてください。 点灯時間は8〜10時間が目安となります。 【フィルター】 フィルターは飼育水の中の小さなゴミを取り除くなどのろ過機能があります。 外部式、上部式、外掛け式、底面などの種類があり、用途により使い分けます。 【水槽台】 60cm水槽で約80kgとなります。その重量に耐えられて水平に保てる様にする為、専用の水槽台をお奨めします。 【ヒーター】 海水魚を飼うには水温を25〜6度を目安に一定に保つヒーターが必要です。特に冬場は飼育水を保温する必要があります。26度固定のオートヒーターや、温度設定を変えられるサーモスタット方式も便利です。 【バクテリア】 魚を美しく元気に飼育する為の必需品です。 水槽立ち上げ時から使用する事で、魚の排泄物(アンモニア)や食べ残しのエサをバクテリアが害の少ない成分に分解・掃除してくれます。 【水質調整剤】 水道水には魚にとって有害物質の塩素(カルキ)や重金属などが含まれており、それらを中和させます。 【底床材】 海水はpHや硬度を高く保つ必要があり、ろ過能力もあるサンゴ砂は最適です。 【エサ】 色んなエサをご案内致します。 【人工海水】 海水魚飼育には欠かせないもので、白い粉状の海水の素を水道水に溶かして使用します。 【比重計】 最適な塩分濃度測定には必需品です。容器に飼育水を目盛りまで入れて測定するタイプと飼育水に浮かべて測定するタイプがあります。 2)器具セットの準備をしましょう。 ・水槽の置き場所を決めましょう。 水換えなどを行うと、塩が周囲に飛び散る事もあり家電機器に隣接したり、直射日光にあたる場所は避けます。 ・水槽は新品のスポンジで水洗いします。洗剤は水槽内に残る事がある為、使用しないようにしましょう。 ・底床材(サンゴ砂)を、バケツに移して水道水で水が濁らなくなるなるまで手洗いしましょう。 3)水槽をセットして水を作りましょう。 ・水洗いした底床材(サンゴ砂)を水槽の底に敷き詰めます。 底床材の厚みの目安は2〜4cmです。その後にヒーターとフィルターをセットします。 フィルターは水槽サイズに適応したものよりもワンランク上の機種を選ぶのがコツです。 4)水槽をセットして水を作りましょう。 ・バケツに水道水を張り、海水の素となる人工海水を入れます。なお、人工海水に中和剤が 入っていなければカルキ抜きも入れます。 海水の素を良く溶かしたら、比重計で塩分濃度をチェックします。但し、水温によって比重値は変化するので、必ず適温に調整して海水を作ります。 ・塩分濃度は1.020〜1.024が目安です。 海水が出来上がったら、水槽に少しずつ注ぎ、バクテリアを入れましょう。 ・海水魚を入れるまでは、一般的に最低1週間ほど水をまわしてください。 バクテリアが徐々にわいてきます。 適温の水で海水の素をよーく溶かし、濃度をきちんとはかり、エアレーションをしてから使用しましょう。塩素は揮発するので、エアレーションすることにより、カルキ抜きの効果もあります。 5)海水魚を水槽に入れましょう。 ・海水魚を水槽入れるときの注意点は、時間を掛けてていねいに温度あわせ、水あわせをする事です。 ・温度あわせををしましょう。魚が入った袋を30分ほど水槽に浮かべて、水槽と袋の中の水温を合わせます。 ・水合わせは袋の水ごと魚を器(バケツ等)に移して、飼育水を少しずつ加えていきます。 エアーチューブを使うと簡単で便利です。 ・20〜30分ぐらいで水あわせが終わったら、海水魚だけをすくって水槽にはなします。 5)日常の管理をしましょう。 ・日常の管理は決まった時間でのエサやりとライトの点灯・消灯です。 ・エサやりは1日1〜2回与えましょう。なお、エサのやり過ぎは水質悪化の原因になります。 数分で食べきれるぐらいが適量です。 ・ライトの点灯は8〜10時間が目安です。 ・水の蒸発による塩分濃度の上昇に注意しましょう。 ・状況に応じて水換えやフィルターの掃除をしましょう。 殺菌灯 水に直接紫外線を照射して、病原菌を減少させるために使用します。 たいてい筒状で、その中を水が通るようになっています。白点病の発生が著しく減るため、飼育がグンと楽になるので、絶対に買って損はない道具だと思います。 価格は、大きさによりますが、たぶん1万円台〜5万円台位だと思います。電球は切れていなくても効果が徐々に薄れていくそうです。早めの交換を心がけましょう。(最低年1回) 水槽は魚が生きていく為の水質を維持するのが大変です。 数週間ごとの水換え、適切なろ過、バクテリアの投入、エサの量の調整などなど、水質が悪化しないような配慮が必要で、経験が浅いうちは、少し油断するとあっという間に水質が劣化してしまいます。 オーバーフローは超強力なろ過能力を備えているため、それらの作業を軽減するとともに魚に最適な環境を提供することができます。 水槽の中にオーバーフローパイプを通し、一定以上の水位の水がそのパイプから 落ち込み水槽の下に設置された濾過槽で濾過を行います。 下の濾過槽から水槽にはポンプを使って揚水します。 オーバーフローシステムの最大のメリットは、水槽と別に水をプールする為総水量を増やせることです。