J1最終節(2日、浦和3−2G大阪、埼玉スタジアム)イングランドプレミアリーグの3クラブが、来年1月の移籍市場再開に向け、浦和の日本代表MF三都主アレサンドロ(29)の獲得準備を進めていることが2日、明らかになった。三都主に近い関係者が認めたものでボルトン、ウィガン、ウエストハムが有力。日本が誇る左サイドのスペシャリストが、J制覇を手土産に夢舞台に挑戦する。
母国ブラジルの打楽器を打ち鳴らし続けた。「神様がホームで決めさせてくれたんだと思う。どうしても日本一になりたくて、ずっと頑張ってきた」。三都主はV字型に剃った髪をなで、陽気な笑顔を見せた。 その裏で次なる夢への動きは始まっていた。 「話はきています。以前のものに加えて新たなものもあります」。三都主に近い関係者が、水面下で欧州クラブからの獲得の打診が来ていることを明かした。それがボルトン、ウィガン、ウエストハムのプレミア3クラブ。完全移籍のオプションが付く半年間の期限付き移籍が有力という。 ボルトン、ウィガンは今年8月にもオファー。浦和での優勝を目標にする三都主は「日本一になる目標もあったし、代表も新しくなって定着したかった」と残留を決意した。一方で左サイドMFは世界的に人材不足。両軍の調査は続いていた。 中田英寿氏も所属したボルトンは、アジア市場を重視。ウィガンは英大型スポーツ店JJB社長のウィーラン氏が買収したことにより、500億円超の潤沢な資金を持つ。新たに名乗り出たウエストハムも今年1月にMF小笠原の入団テストを実施するなど、日本人獲得に積極的だ。 三都主はこの日、「浦和は本当にいいクラブ。ただ海外に行くだけの選手にはなりたくない」と出場機会など現在の環境と比較検討をした上で、判断する意向を示した。ただ、プレミアは02年夏にチャールトン移籍がまとまりながら労働許可証が下りずに断念した夢舞台。年齢的にもラストチャンス。浦和も今夏のオファーを断ったいきさつから移籍を認める方針で、正式オファーが来ればまとまる可能性は高い。 次なる夢へ。ブラジル、日本、欧州へと羽ばたく日がいよいよやってくる。