コンタクトレンズを購入する際の検査を主に行っている眼科診療所で、診療報酬の不正請求が行われている疑いがあるとして、厚生労働省は、不正情報が寄せられている十数都府県の約60診療所について、年内にも一斉に監査を始めることを決めた。
医療機関が健康保険に請求するコンタクト検査料は、初めて使う人は3870円、それ以外は1120円で、患者は窓口で自己負担分(通常は3割)を払う。ただ、コンタクト検査を主に扱う眼科(コンタクト検査患者が全患者の70%以上)はそれぞれ、1930円と560円になる。
コンタクト検査 継続でも初使用料金 都内で不正請求横行 来月、全国の社会保険事務局の特別監査担当者会議を開き、60診療所以外についても、指導を徹底するよう指示する。 コンタクト検査料は、今年春の診療報酬改定で大幅に切り下げられたばかり。厚労省では「改定を骨抜きにする悪質な行為」とみており、不正が確認された場合は、保険医療機関指定の取り消しなど厳しい処分をする方針だ。 コンタクト診療所は、コンタクト販売店などに隣接して開設され、購入者向けの検査や処方をおもに行っている。同じ患者に検査を繰り返し、何度も初診料を請求するケースなどが多くみられたため、厚労省は今春の改定で、外来患者のうちコンタクト関連の患者が70%以上を占める医療機関については、コンタクト検査料の診療報酬を一般眼科の半分にするなどした。