蛍光灯など照明器具の光を無線電波のように使って高速インターネット通信を行う新技術「可視光通信」の実現に向け、総務省は、NTTやKDDI、電機メーカーの担当者らで構成する研究会を27日に発足させる。来秋、実証実験を始めて5年後の実用化を目指す。実用化すれば世界初になる。
可視光通信は、同省が10月に解禁した電気配線のコンセントを通じてインターネットに接続する「電力線通信(PLC)」と組み合わせた利用を想定している。電力線通信につないだ照明器具から出る光にネットの情報を載せる。光の届く範囲に送受信機がついたパソコンを置き、配線コードなしで高速のインターネットを利用する。 照明機器に通信機能をつける必要があるが、その技術検討を研究会で行う。現在主流の無線LANより使い勝手がよくなる可能性があり、精密機器への悪影響を懸念して電波によるネット利用が難しかった病院などでの活用も見込まれる。 政府は10年度までに全国各地で高速通信を可能にする「ブロードバンド・ゼロ地域解消」を掲げており、こうした新技術を開発し、目標達成を目指す。