京都大は、早稲田大、黄桜の3者で共同開発したビール「ホワイトナイル」現代に甦った古代エジプト文明を、今年度上半期(4〜9月)で4万4177本販売したと発表した。
京大・早大・黄桜開発のビール、半年で4万4177本 両大学の連携協定締結の第1弾として、今年4月12日から1本450円(330ミリリットル)で販売を始めた。内訳は▽京大2万3586本▽早大4600本▽黄桜直営店1万5991本。「コクがあり食事の途中に飲むタイプ」とのふれ込みに、両大学の生協やレストランなどで人気が高まり、4月後半〜5月ごろは品薄状態だった。 早稲田大学のエジプト考古学と京都大学の植物遺伝学が出会い、現代に甦った古代エジプト文明。Kizakura「WHITE NILE」はその研究成果を活かし、京都の地下水で製造した小麦入りビールです。副原料として栽培二粒系小麦を使用することで爽快感のあるスッキリとした味わいの泡持ちが良いビールになりました。また、風味を大切にした緩やかなろ過により酵母が生きている、フレッシュなビールです。 今月中には、古代エジプトでアルコール飲料醸造に利用されていた「エンマー小麦」の栽培を鳥取県の契約農場で始める。収穫後の来年8月以降はこの小麦を使った新しい味にリニューアルした製品を出荷予定という。
エジプト考古学の権威である早稲田大学の吉村作治教授はある企業(ビールメーカー)との共同研究において、壁画をもとにあらゆる考古学的分析を駆使し、古代エジプトビールを再現することに成功されました。 その際、古代エジプトでビール醸造に使用されていた「エンマー小麦」の種子を提供したのが京都大学農学研究科栽培植物起源学研究室でした。文化勲章受賞の世界的遺伝学者である木原均教授(1893〜1986)が創設し、現在も活発な活動を続けるこの研究室は、世界中から収集した小麦種子約1万種を更新保存していました。 エンマー小麦はエチオピアでの収集以来、40年近い時を経て上記企業が栽培することになり、こうして2004年にエンマー小麦を使用した古代エジプトビールができあがりました。