グーグルやヤフーのようにインターネット検索ビジネスを日本の事業者ができるように、やっとと言うか今更・・・日本でも著作権者の許諾なしに著作物のキーワードや索引の編集・利用が認められる見通しになった。 政府の知的財産戦略本部(本部長・安倍首相)と経済産業省が著作権法の年内改正をめざす方針を固めた。データを蓄積する「心臓部分」の検索サーバーを日本国内に置けない現状を改め、政府が進める「次世代ネット検索」の技術を生かして将来、日本に有力な検索事業者を育てようという狙い。
ネット検索用のデータベースを作るには、文章や画像などの著作物のデータの一部を複製(コピー)し、検索しやすいキーワードや索引を設ける編集作業をする必要があるが、日本では著作権者の許諾なしにそれが認められていなかった。改正では、著作権法で許諾を得ずに複製や編集が認められる例外項目に「検索のための複製や編集」を盛り込む方針。例外項目として他に「個人や家庭内での私的使用」「図書館などの公衆利用」などが認められている。 知的財産戦略本部のコンテンツ専門調査会(会長・牛尾治朗ウシオ電機会長)部会で改正案骨子を決め、6月にまとめる「知的財産推進計画2007」に盛り込む。文化審議会(文化庁長官の諮問機関)の了解を経て、早ければ07年秋の臨時国会に改正案を提出したいという。 著作権者の許諾がない事業は日本では違法となるが、米国の著作権法は公正な利用なら著作権侵害にあたらないと認めている。このためグーグルやヤフーの日本法人は検索サーバーを米国に設置し、日本の著作権法の適用を免れていた。 著作権への影響について経産省は、検索結果のネット上での表示は著作物の無断利用などと異なり、著作権者の権利の切り下げにはならないとみている。「米国発」の検索サービスを日本国内の利用者が日常的に使っており、日本の著作権法の規定がすでに形骸(けいがい)化しているという事情もある。 いま世界の検索市場を分け合っているのはグーグル、ヤフー、マイクロソフトの米3社。いずれも検索システムを米国に置く。経産省は日本企業とともに文字や動画、音声などネット上のあらゆる情報を検索できる次世代技術を開発中で、3〜5年後の実用化をめざしている。ただ、これが成功しても著作権法が今のままでは心臓部のシステムの米国依存が続いてしまう、という懸念が政府にはあった。