フリーレントという言葉を最近よく目にします。駅やコンビになどフリーペーパーが最近増えてきましたが、アルバイト情報だけではなく、賃貸住宅情報誌も多く、フリーレントがキーワードになりつつあるようです。 このフリーレントとは、アパート、マンションを一定期間タダで借りられる賃貸物件で、今年になって首都圏で急速に増えているようです。この中には、なんと、入居から半年間の家賃無料という物件もあるそうで、特に夏場は物件が動かないため、多くの物件がフリーレントで出てくるそうです。
なるほど・・・賃貸物件があっても誰も借りてくれない時期に、フリー:無料期間を設けて賃貸の利用者を年間で確保しようとする動きなんですね。 この「フリーレント」というのは、USで多く行なわれてきた「賃料」のプロモーション方法で、日本では首都圏のオフィスビルの新築ラッシュや、テナントがなかなか埋まらない90年代後半に始まった。ビルのオーナーが苦肉の策で打ち出したサービスだったようです。 景気が良くなってオフィスビルの需要は伸び、賃料も上昇したが、賃貸アパート、マンションは供給過多が続き、「フリーレント」が2年ほど前からアパート、マンションへと導入された。 ネット系の不動産会社のホームページには、この「フリーレント」物件のコーナーを設けている所が多く「特に夏場は物件が動かないため、多くの物件がフリーレントで出てきます。扱っているのは1ヶ月〜2ヶ月タダというのものが中心です」と答えた。 1年前ではフリーレント物件はほとんど無かったが、現在は扱い物件の約20%を占めるまでになった。 「礼金、敷金がゼロで、さらに1ヶ月分の家賃がタダだったり、敷金を納めると2ヶ月分がタダなど色んな物件があります」。空き部屋に入居者を入れるため、「フリーレント」を導入するマンションのオーナーが今年に入り急速に増えてきたのだという。 「入居後1年間は解約不可」といった条項がつく それは、「お客様にこの制度を説明すると『お得だね』と強い関心を示してもらえますし、入居者がすぐに決まったりします。それだけにオーナー様の注目度が高くなっているのでしょう。ただし、物件にもよりますが…」 不動産経済研究所の福田秋生企画調査部長は、フリーレントが出てきた背景を、オーナー側の思惑からこう説明する。 「賃貸住宅の供給過剰感が現在でも続いていて、オフィスビルのシステムを賃貸住宅でも使えるのでは、と導入されてきました。実は、オーナー側としては、入居者を確保するだけが目的ではないんです。賃料を下げない(現状維持する) 目的もあります。そして将来の売却にも備えることができるのです」 仮に新規入居者の賃貸料が現在の入居者より安ければ、クレームが来て、全体の賃料を下げなければならない。それでは困るので、新規入居者には何ヶ月かをフリーレントにし、形の上で賃料の現状維持を図る、というわけだ。また、将来、賃貸住宅を売る場合、設定している賃貸料が高いほど高く売れる。大家はそういうことも考えて、フリーレントを入れていると福田部長は指摘する。 ただ、フリーレントの契約には「入居後1年間は解約できない」という条項がついていることもある。フリーレントが増えていく中で、消費者には賢い判断が求められるということだ。