２００６年ＦＩＡ Ｆ１世界選手権第１８戦、 今シーズンの最終戦となったブラジルＧＰは、いよいよ決勝レースのときを迎えた。決勝レーススタート直前の気温は２４℃、路面温度４５℃、湿度５５％、ドライコンディションでのレースとなる。
午後２時、ポールポジションのフェリペ マッサを先頭に、２２台の車がフォーメーションラップへと向かう。パレードラップを終えてすべてのクルマがグリッドに整列し、スタートのときを待つ。
シグナルがブラックアウトし、レーススタート！ マッサがいいスタートを切る！シューマッハはＢＭＷの２台をかわす！ロズベルグがクラッシュ、ウェーバーはリアウイングをなくしている。その他はクリーンにスタートを切った。
１周目を終えた順位は、１位マッサ、２位ライコネン、３位トゥルーリ４位アロンソ、５位バリチェロ、６位フィジケラ、７位ミハエル、８位ラルフ、９位クビサ、１０位バトン、１１位デ ラ ロサ、１２位ハイドフェルド、１３位リウッツィ、１４位スピード１５位佐藤、１６位クルサード、１７位アルバース１８位山本、１９位ドーンボス、２０位モンテイロとなっている。チームメイト同士で接触してしまったウィリアムズのウェーバーはピットに入り、ロズベルグはレースを終えている。
２周目 ここでクラッシュしたロズベルグのマシンを除去するために、セーフティーカーが入る。セーフティーカーが入る前にミハエルシューマッハはバリチェロをかわして６位に浮上している。
６周目 セーフティーカーが戻り、レース再スタート。シューマッハがフィジケラを狙っているが、フィジケラも譲らず。
７周目 アロンソがトゥルーリを狙っている。ホームストレートでオーバーテイクを仕掛けるが、ここでは抜けない。ミハエルはフィジケラに対しコンマ４秒まで迫っている。
８周目 ミハエルがホームストレートでフィジケラをオーバーテイク！しかし、フィジケラはミハエルを抜きかえす！！その直後に接触があったのか、ミハエルは左リアタイヤをパンクさせ、ピットに戻る！！
１０周目 トゥルーリが頭からガレージにマシンを突っ込んでリタイアした。ラルフもピットインし、ここでリタイア。トヨタ勢は２台ともリタイアとなってしまった。ミハエルは最後尾の１８位でコースに戻っている。
１３周目 マッサが快調に飛ばしている。マッサのラップタイムは１分１３秒３２２で、ライコネンとの差は９秒５となっている。クルサードの調子がおかしく、ペースを落としている。
１４周目 ここまでの順位は、１位マッサ、２位ライコネン、３位アロンソ、４位フィジケラ、５位バリチェロ、６位バトン、７位クビサ、８位デ ラ ロサ、９位ハイドフェルド、１０位スピード、１１位リウッツィ、１２位佐藤、１３位アルバース、１４位山本、１５位ドーンボス、１６位モンテイロ、１７位クルサード、１８位ミハエルとなっている。
１５周目 ピットに戻ったクルサードがマシンを降りてリタイア。これでリタイアは５人目となった。
１８周目 最後尾のミハエルは、１分１３秒代のペースでレースを続けている。
２０周目 ハイドフェルドがデ ラ ロサに迫っている。両者の差はコンマ９秒だ。
２１周目 ライコネンがピットイン。バリチェロ、フィジケラも１回目のピット作業を終える。ライコネンはハイドフェルドの後ろでレースに戻った。その後ろにフィジケラとバリチェロが続いている。
２３周目 マッサが１分１２秒８７７のタイムをマーク、一人だけ１２秒代に入れてきた。
２４周目 マッサがピットイン。８秒３で作業を終え、バトンの後ろ３番手でコースに戻る。その１周後、バトンがピットインした。
２６周目 アロンソが１回目のピットインし、８秒７で作業を終える。アロンソはライコネンの前でコースに戻った。ここでアルバースもピットインした。
２７周目 クビサとデラロサがピットイン。その１周後、ハイドフェルドも１回目のピット作業を終えた。
２９周目 バトンがライコネンを抜いて、４位に浮上。３位アロンソの前にはまだピットに入っていないデラロサがいる。
３２周目 ミハエルはドーンボスをオーバーテイクし、１２位に順位を上げている。ここでミハエルの前を走行していたリウッツィがピットに入ったため、ミハエルは１１位となった。
３３周目 ここまでの順位は、１位マッサ、２位デ ラ ロサ、３位アロンソ、４位バトン、５位ライコネン、６位フィジケラ、７位バリチェロ、８位クビサ、９位ハイドフェルド、１０位ミハエル、１１位ドーンボス、１２位モンテイロ、１３位佐藤、１４位スピード、１５位リウッツィ、１６位アルバース、１７位山本となっている。
３５周目 デラロサが１回目のピットイン、１０秒８で作業を終えた。デラロサは１ストップと思われる。
３６周目 ミハエルがハイドフェルドをオーバーテイク。８位に順位を上げた。３位のバトンは２位のアロンソにコンマ７秒まで迫っている。
３７周目 ミハエルが１分１２秒８３２のファステストラップをマーク。順調に追い上げている。１位マッサと２位アロンソとの差は２４秒となっている。
３８周目 ハイドフェルドが２回目のピットイン。フロントウイングを交換している。
４０周目 ミハエルがクビサを抜いて７位に浮上。しかし、一瞬ペースを落として、再びクビサに抜かれてしまう。
４１周目 ミハエルが再びクビサをオーバーテイクし、７位に順位を上げた。後方では佐藤がいいぺースで走行している。佐藤はこの周回を１分１３秒７７９で走行し、これは上位陣と同じペースだ。現在１０位となっている。
４５周目 ミハエルは１分１２秒５０７で追い上げている。６位バリチェロとの差は７秒だ。
４６周目 バリチェロが２回目のピットイン。その１周後、ミハエルも２回目のピット作業を終え、バリチェロの後ろでコースに戻った。
４９周目 佐藤とアルバースが２回目のピットイン。その後、フィジケラとクビサもピットに入った。
５０周目 バトンが２回目のピットイン。フィジケラの前でコースに戻る。ここでミハエルはバリチェロをオーバーテイクした。ライコネンも２回目のピットインを終え、バトンの後ろ、フィジケラの前でコースに戻る。
５２周目 マッサも２回目のピットイン。トップでコースに戻る。
５３周目 アロンソが２回目のピットイン。２位でコースに戻る。
５５周目 ここまでの順位は、１位マッサ、２位アロンソ、３位バトン、４位ライコネン、５位フィジケラ、６位ミハエル、７位バリチェロ、８位デ ラ ロサ、９位クビサ、１０位佐藤、１１位ドーンボス、１２位ハイドフェルド、１３位スピード、１４位リウッツィ、１５位アルバース、１６位モンテイロ、１７位山本となっている。
５８周目 ミハエルがフィジケラに迫るが、またしても一瞬不可解なペースダウンをして、差を広げられてしまう。
残り１０周 再びフィジケラに迫るミハエル。その差はコンマ２秒だ。
残り９周 ミハエルがホームストレートでフィジケラにオーバーテイクをしかける！フィジケラは１コーナーでブレーキングミスをし、コースオフ！ミハエルがフィジケラをかわして５位に浮上！
残り７周 １コーナーでハイドフェルドがスピンし、クラッシュ。レースを終えている。このクラッシュによりイエローフラッグが出ている。ミハエルはライコネンにコンマ４秒に迫っている。
残り５周 イエローフラッグが解除された。
残り４周 ミハエルがホームストレートでライコネンにオーバーテイクをしかける。しかし、ライコネンは譲らず。ミハエルはライコネンの後ろ、コンマ１秒まで迫っている。
残り３周 ついにミハエルがライコネンをオーバーテイク！！スタンドがどよめいた。
残り２周 １位マッサと２位アロンソとの差は２２秒。アロンソと３位バトンとの差はコンマ６秒となっている。４位ミハエルとバトンとの差は６秒。ここで、ミハエルが１分１２秒１６２のファステストラップをマーク！！
ファイナルラップ 勝利を確信したマッサは優々と最終コーナーを回る。
チェッカーフラッグが振られ、レース終了！！
地元ブラジルで、マッサが見事な勝利を飾った！２位にはアロンソが入り、２年連続のワールドチャンピオンが決定！３位はバトン、見事な追い上げを見せたミハエルは、現役最後のレースを４位で終えた。５位ライコネン、６位フィジケラ、７位バリチェロ、８位デ ラ ロサ、９位クビサ、１０位佐藤、１１位スピード、１２位ドーンボス、１３位リウッツィ、１４位アルバース、１５位モンテイロ、１６位山本、完走扱いとなったハイドフェルドが１７位となった。
Grand Prix of ブラジル - 22 10 2006 - 決勝
Pos. ドライバー コンストラクターズ Tyres Time Points
1 Ｆ・マッサ フェラーリ 1:31:53.751 10
2 Ｆ・アロンソ ルノー + 18.658 8
3 Ｊ・バトン ホンダ + 19.394 6
4 Ｍ・シューマッハ フェラーリ + 24.094 5
5 Ｋ・ライコネン マクラーレン + 28.503 4
6 Ｇ・フィジケラ ルノー + 30.287 3
7 Ｒ・バリチェロ ホンダ + 40.294 2
8 Ｐ・デ・ラ・ロサ マクラーレン + 52.068 1
9 Ｒ・クビサ ＢＭＷ + 1:07.642
10 佐藤 琢磨 スーパー アグリ + 1 laps
11 Ｓ・スピード スクーデリア トロ ロッソ + 1 laps
12 Ｒ・ドーンボス レッドブル + 0 laps
13 Ｖ・リウッツィ スクーデリア トロ ロッソ + 1 laps
14 Ｃ・アルバース スパイカーＭＦ１ + 1 laps
15 Ｔ・モンテイロ スパイカーＭＦ１ + 2 laps
16 山本 左近 スーパー アグリ + 2 laps
Did not finish
17 Ｎ・ハイドフェルド ＢＭＷ + 7 laps
18 Ｄ・クルサード レッドブル + 56 laps
19 Ｊ・トゥルーリ トヨタ + 61 laps
20 Ｒ・シューマッハ トヨタ + 62 laps
21 Ｍ・ウェーバー ウィリアムズ + 70 laps
22 Ｎ・ロズベルグ ウィリアムズ + 71 laps
全１８戦の２００６年Ｆ１世界選手権もこれで終了。ワールドチャンピオンはフェルナンド アロンソ、コンストラクターズはルノーの手に渡った。現役最後のレースとなったミハエル シューマッハは１０番グリッドから６台を抜き、ファステストラップの置き土産を残して、素晴らしいレースを終えた。
ルノー ２年連続でダブルタイトル獲得！！
ルノーＦ１チームは今シーズンの最終戦で、ドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルの両方を勝ち取り、最高の結末を迎えた。レースではフェルナンド アロンソが２位表彰台を獲得し、ジャンカルロ フィジケラは６位入賞となった。２年連続でタイトルを手にしたチームは、去り行くアロンソとミシュランに最大の讃辞を述べ、全てのチーム関係者に感謝を示している。
フェリペ マッサはポールポジションから素晴らしいレースを披露し、地元の大観衆の前でブラジルＧＰを制した。チームメイトで７度のワールドチャンピオンを誇るミハエル シューマッハは、Ｆ１史上最も美しいドライビングの１つを披露してＦ１の世界に別れを告げた。
接触によるタイヤのパンクで想定外のタイヤ交換を強いられたが、ミハエルは２０位から４位まで順位を上げることができた。ミハエルはこの日一番のパッケージを持っていたドライバーであり、ブリヂストンタイヤは彼のファステストラップを手助けすることができた。マッサは自身２度目となる勝利を上げ、これはブリヂストンが１９９７年にＦ１に参戦して以来、１０４勝目となる。この１０４勝は、ブリヂストンがＦ１史上２番目に成功したタイヤメーカーであることを証明し、このうち５８勝がミハエルシューマッハによってもたらされたものである。
ワールドチャンピオンシップタイトルはアロンソとルノーの手に渡ったが、フェラーリとブリヂストンは毎レース接戦を演じた。今シーズンを２位で終えたフェラーリは、コンストラクターズではルノーと５ポイント差しかなかった。パナソニックトヨタレーシング、ウィリアムズＦ１、スパイカーＭＦ１、スーパーアグリは、それぞれ６位、８位、１０位、１１位となった。マッサの勝利は彼をドライバーズチャンピオンシップで３位にし、それはミハエルシューマッハに次ぐものだった。
今季限りで引退、このレースが最後のＧＰとなったフェラーリのミヒャエル・シューマッハー（ドイツ）は、序盤でタイヤがパンクするアクシデントがあった中で４位まで追い上げたが、１２１点にとどまり年間王者を奪還できなかった。
フェラーリのフェリペ・マッサ（ブラジル）が１時間３１分５３秒７５１で優勝し、今季２勝目、通算２勝目。スーパーアグリ・ホンダは佐藤琢磨が今季自己最高の１０位、山本左近は１６位だった。 ホンダはジェンソン・バトン（英）が３位、トヨタは２台とも序盤でリタイアした。
