グーグルが、オンラインのワードプロセッサアプリケーションと表計算プログラムを組み合わせた、新しいウェブベースの生産性アプリケーションを提供開始した。同社はこの新製品を擁して、市場での足場を固める。
グーグルは米国時間10月11日、「Google Docs & Spreadsheets」のベータ版を提供開始した。ユーザーはこの無償プログラムを利用して、ドキュメントやスプレッドシートをウェブ上で作成、管理、共有することができる。 同プログラムでは、複数のユーザーが同一のデータを同時にオンラインで編集できるほか、さまざまなファイル形式でデータをインポートしたり、エクスポートしたりすることが可能になっている。また、ドキュメントやスプレッドシートをウェブページやブログなどで公開することもできる。 グーグルでGoogle Docs & Spreadsheetsのプロダクトマネージャーを務めるJonathan Rochelle氏によると、世間の憶測とは異なり、グーグルにはMicrosoftのOfficeによって独占されているデスクトップ生産性スイート市場からシェアを奪取するつもりはないという。 「これらのプロダクトを組み合わせることは理にかなっていると考えた。また、ユーザーもそれを求めていた。われわれの戦略に変化はない。これはデスクトップ製品を補完するためのものだ・・・そのため、(デスクトップ製品に搭載されるような)先進的な機能に欠けている面もある」 グーグルはこれまで、電子メールをはじめとする様々なサービスをウェブベースで提供しており、多くの人はこの動きをMicrosoftへの宣戦布告と見てきた。これに対し、Microsoftは2005年にビジネス戦略を変更し、「Windows Live」や「Office Live」ブランドの下、ウェブベースのサービスを提供するようになっている。 グーグルは2006年3月にウェブベースのワードプロセッサWritelyを買収し、6月にはウェブベースの表計算プログラム「Google Spreadsheets」を発表した。さらに最近になり、同社はWritelyをGoogleのアカウントで利用できるようにした。 グーグル「グーグルドック&スプレッドシート」 ■ http://docs.google.com/ Google、プレゼンテーション用ツールの追加を発表 Googleは17日(米国時間)、同社が提供するDocs & Spreadsheetsサービスにプレゼンテーション用ツールを追加すると発表した。追加の時期は今年の夏になる見通し。 Google Docs & Spreadsheetsは、ワードプロセッサと表計算の機能をWebアプリケーションとして提供するサービス。バージョン管理と複数人によるコラボレーション編集機能を備え、書いたドキュメントを一般に公開したり、ブログに投稿することも可能。ファイルとしてダウンロードすることもでき、ファイル形式は、HTML、Microsoft Office、OpenOfficeドキュメント、PDFなどから選べる。文書をファイルとして添付し、メールで送信することも可能だ。 今回の発表により、上記の機能をすべて備えたプレゼンテーションツールがWeb上で、しかもGoogleアカウントさえ持っていれば無料で使用できるようになると期待される。