ザクロに前立腺がん抑制成分が含まれている可能性があると名古屋市立大が研究発表しました。果物のザクロは『生命の果実』とも呼ばれて以前から不妊治療に効果があるなどと話題になっているようですが、前立腺がんの細胞を死滅させる成分が含まれている可能性を名古屋市立大の朝元誠人・助教授らの研究で分かった。横浜市で開催中の日本癌(がん)学会で28日発表した。
以前からザクロは、ザクロは『生命の果実』とも呼ばれて以前から不妊に悩む女性がザクロジュースを飲んで子供を授かるなどと言われてきましたが、がん細胞にも何か効果があるのでしょうか?
どうして今、ザクロなのか ザクロに女性ホルモン(エストロン)が含まれているため、老化や更年期障害で悩んでいる方に適しているとされているのをマスコミ、雑誌、広告などでよくみかけます。でもちょっと待って!ザクロと書いてあるからといって身体にいい訳ではありません。本当に効くのかな?ちゃんと検討してみましょう。 ザクロには日本産、イラン産など産地や品種がたくさんあります。摂取するものが種子からなのか果汁だけなのか何由来なのかによって成分が随分異なります。薬用として長い間、珍重されてきたザクロ、実は「黒ザクロ」です。 過剰なコマーシャリズムに惑わされず、正しく理解する必要があると思います。
strong>ザクロの歴史 ザクロは漢字で「石榴」と書きます。これは、「安石榴」の略とされています。「安石」は現在のイラン、ザクロの原産国を意味します。「榴」は、中国西域にある岩肌の重なりあった奇勝と似ているので、「瘤」をイメージして同じ発音の「榴」になったのです。 ザクロの味は酸っぱく日本人にはなじみの少ない方の果物かと思います。果実は固い外皮に包まれ、熟すと不規則に割れてこまかくぎっしりと並んだ真紅のルビーを連想させる果実が顔をのぞかせます。 カクテルに使用される「グレナデンシロップ」は、ザクロのフランス語、グレナチュールに由来するものでザクロ果汁から作られます。 ザクロは中近東地方、ペルシャを原産国とする落葉樹の果実です。ペルシャは現在のイランです。ザクロは原産地のイランはもとより古代国家では高貴な果樹として珍重され、さらには生薬として大いに愛用されていました。 古代ギリシャ医学の父『ヒポクラテスの医学書』、哲学者『デオフラストスの医学書』、パピルスに書かれた『エジプトの医学書』、『中国の漢方書』、インド最古の医学書『アーユルウェーダ』、プリニウスによる『博物誌』、ディオスコリデスの『薬物誌』など、イランに伝わるペルシャ医学には、ザクロの効能が記載されています。 日本ではシルクロードを伝って平安時代からすでに薬用目的で入ってきたようで、『日用本草』、『本草蒙筌』などに記されています。 話題のザクロの女性ホルモン様作用についての報告は以下のようです。 1964年カイロ国際研究センター、シャラフ博士とニグン博士らにより2つの実験報告があります。ひとつはザクロの種子油を幼若ウサギに一定期間投与すると何も与えなかった群よりも子宮重量が増加したことが報告されました。もうひとつは卵巣を摘出したマウスにザクロ油を投与したところ膣の角化がみられました。膣の角化は女性ホルモンの強さをみる実験系のひとつです。 1966年カルフォルニア工科大学ヘフトマンズ博士らによりザクロの種子中からエストロンを抽出したことを報告しました。その抽出したエストロンを卵巣を摘出したマウスに子宮重量が増加したことが報告されました。 1988年アレキサンドリア大学のモネム博士らによってザクロにエストロンが含まれていることを再確認、エストラジオールが含まれていることを報告しました。