米科学誌サイエンスは22日発行の最新号で、今年の科学成果トップテンである「10大ブレークスルー」を発表する。1世紀あまり数学者を悩ませ続けてきた「ポアンカレ予想の解決」が第1位に選ばれた。 100年未解決の難問「ポアンカレ予想」を解いたらしい・・・
「ポアンカレ予想」は現代数学の難問。ロシアの数学者グレゴリー・ペレルマン氏(40)が02〜03年にインターネットで三つの論文を公表。論文を補う研究が今年、相次いで発表され、ほぼ解決とされた。ペレルマン氏は、世捨て人の生活を送っており、数学界最高峰のフィールズ賞を辞退する「事件」も招いた。
ポアンカレ予想 フランスの数学者、哲学者であるアンリ・ポアンカレ(1854〜1912)が1904年に出した幾何学に関する予想。例えば、ピンポン球とおむすびは同じものに分類するが、ドーナツのように穴の開いたものは別に分ける、といった具合に多次元の空間の形を分類するための、ある条件を提示した。 4次元以上では証明されたものの、3次元だけは未解決のまま残っていた。米国人実業家がつくったクレイ数学研究所は00年5月、新しい千年紀(ミレニアム)を記念して、ポアンカレ予想を含む「21世紀を象徴する難問7題」を「ミレニアム問題」として発表、1問につき100万ドルの高額賞金をかけた。この中で解けたと認定されたものはまだない。