シンガー・ソングライターの大御所 吉田拓郎 (もう60歳)の1972年のヒット曲をタイトルに冠した映画「結婚しようよ」が製作されるそうなんです。吉田拓郎ファンの佐々部清監督(48)がメガホンを執り、主演は三宅裕司(55)で、フォークソング全盛の70年代を過ごした「団塊の世代」の父親と家族との愛情が、拓郎の代表的な約20曲とともにつづられる。来秋公開予定。
「結婚しようよ」「人間なんて」「おやじの唄」−。約20の名曲が全編を彩る「拓郎映画」が作られることになった。 主人公は52歳のサラリーマン。学生時代はフォークソングに影響されプロを目指していたが、今は妻と大学生の娘2人を持つ。長女が結婚を決めたり、子供たちの自立で熟年夫婦の生き方など「団塊オヤジ」たちが直面する悩みを盛り込んだ内容となる。 拓郎の楽曲は、ストーリーとリンクする形で登場。主人公の青春時代や、娘のことで思い悩む心情が、拓郎の歌詞に乗って描かれる。これまで武田鉄矢主演の映画「刑事物語」(82年)などで主題歌を手がけたことはあったが、約20もの楽曲が挿入歌として使われるのは初めてとなる。 「学生時代、僕たちの神様だった」という生粋の“拓郎チルドレン”の佐々部監督は6月に“神様”と対面。拓郎から「出演は勘弁して欲しいけど、曲でよければ遠慮なく使ってください」とゴーサインをもらい映画化が実現した。 「自主映画を作っていたころ、仲間たちといつか全編拓郎でつづる映画を撮ろう、と酒を酌み交わした。30年たって夢が実現する。吉田拓郎に乾杯!!」佐々部監督は30年温めた企画に興奮を隠せない様子だが、拓郎も「映画館で見たい映画がまた1本!」と完成を待ちわびている。監督は31年ぶりに復活する23日の拓郎とかぐや姫とのジョイントライブ「つま恋コンサート」を観覧し、気持ちを高めていくという。 いまや音楽好きにとって必須イベントとなっている「夏フェス」。この先駆けとなったのが、今でも伝説として語られている、’75年の夏、静岡県掛川市つま恋多目的広場にて約5万人を集め行われたオールナイト・コンサート「吉田拓郎・かぐや姫 コンサート インつま恋」。 この歴史的イベントがなんと31年ぶりに復活! 会場も同じつま恋多目的広場にて開催されることが決定した。当時をリアルに知るフォーク・ファンはもちろん、彼らが築いた時代に影響され、それをきっかけにフォークという世界に触れた新しいファンも楽しめること間違いなし、の「つま恋」。新たな伝説が刻まれる瞬間をしっかりと目に焼きつけたい。 11月初旬にクランクイン。来秋公開を目指す。 ■吉田拓郎 結婚しようよ
◆吉田拓郎 学生運動が収束し始めた1970年、拓郎は「イメージの詩」でデビュー。安保闘争での敗北感と、米のヒッピー文化に影響を受けた若者の支持を得て、マイナーだったフォークソングをメジャーに押し上げた。 −僕の髪が肩まで伸びてぇ−の歌詞で知られる「結婚しようよ」(72年)は、男性側の求婚ソングとして当時は異例だったが、大ヒットを記録した。