骨粗しょう症(骨粗鬆症)など骨が溶けるメカニズムにグルタミン酸が関与していることを、森山芳則岡山大大学院教授(生化学)らの研究グループが7日までに発見し、分子生物学専門誌「エンボ・ジャーナル」(電子版)で発表した。
森山教授によると、骨を溶かす「破骨細胞」の中にグルタミン酸を濃縮するタンパク質があることを発見、グルタミン酸が骨の分解にかかわっていることを突き止めた。グルタミン酸は骨分解物とともに細胞外に出た後、細胞にくっつき、骨分解物が流出するサイクルを抑制するという。 このタンパク質を破壊した複数のマウスを4カ月間観察。いずれの骨密度もそれまでの3分の1〜5分の1まで下がり、グルタミン酸が骨分解を抑制していることが裏付けられた。 森山教授は、グルタミン酸同様に骨分解を抑制する新たな物質を発見することで、骨粗しょう症の治療薬を開発できる可能性があるとしている。
ミカンに骨粗しょう症予防効果 ミカンを多く食べる女性ほど、閉経後の骨密度の低下が起きにくいことが3日、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所(茨城県)などが静岡県浜松市(旧三ケ日町)の住民を対象に行った栄養疫学調査で分かった。骨粗しょう症の国際専門誌オンライン版に掲載された。 同研究所は浜松市などと合同で、三ケ日町住民699人の骨密度を調査し、βカロテンなどカロテノイドの血中濃度や、果物・野菜の摂取量との関連を解析した。 ミカンに多い β ( ベータ ) -クリプトキサンチンと骨密度に新たな関連を発見! 果樹研究所は、平成15年度から国立長寿医療センター研究所、浜松市(旧三ヶ日町)と合同で栄養疫学調査(「三ヶ日町研究」)を実施してきましたが、今回、ミカンに多く含まれる β ( ベータ ) -クリプトキサンチンと骨密度とに新たな関連があることを発見しました。 ■ 浜松市(三ヶ日町)における栄養疫学調査