現在、公安調査庁内で国際テロ情報を扱っているのは、国外調査部門の調査2部で、米国の中央情報局(CIA)、英国の対外情報部(MI6)など外国情報機関と情報交換する「第2課」と、国内テロ関連の動向調査を担当する「第5部門」の両部署だ。
公安調査庁は2007年度に「国際テロ対策室」(仮称)を創設する方針を固めた。
01年の米同時テロ以降、05年7月のロンドン同時爆破テロや今年8月の英国での航空機テロ計画事件が続き、日本にもテロが現実的な脅威となる中、国際テロ関連情報の専門部署を設け、情報収集・分析態勢を強化する。首相官邸への情報提供も迅速化したい考えだ。
国際テロ対策室は第2課の下に新設し、専門職員十数人を配置する。これまで2部署が別々に扱ってきた国際テロ関連情報を一元的に集約し、総合的に分析する態勢を整える。 また、テロの未然防止を目的に今年5月に成立した改正出入国管理・難民認定法で、法相が認定したテロリストを国外退去処分にできる規定が新設された。この認定手続きのため、公安調査庁が保有するテロリスト関連情報を蓄積する態勢も整備する。 公安調査庁の国際テロリズム要覧によると、国際テロ組織「アル・カーイダ」関係者のものとされる、日本を対象にしたテロ警告声明は03年10月以降、9回も出されている。