Google ( NASDAQ:GOOG ) の CEO (最高経営責任者) Eric Schmidt 氏が、 AppleComputer ( NASDAQ:AAPL ) の取締役に決まった。シリコンバレーの企業幹部同士の交流が盛んなことはよく知られているとおりで、それを考えれば驚くにはあたらない。
業界筋によると、Schmidt 氏と Apple の CEO、Steve Jobs 氏は旧知の間柄で、少なくとも Jobs 氏が1980年代半ばに Apple を去って設立した NeXT の CEO を務めていた頃からの付き合いだという。 しかし、これが単なる交友関係の問題でないことは明らかだ。 Apple に利益をもたらしている『iTunes Music Store』(iTMS) ビジネスに対抗しようと、近年さまざまな 挑戦者 が登場している。直近では Microsoft の『 Zune 』がそうだ。 そこで Apple は危険を回避すべく、いろいろと保険をかけておこうしているのかもしれない。 シリコンバレーにあるハイテク業界コンサルティング会社 CreativeStrategies の主席アナリスト Tim Bajarin 氏は、今後、無料の iTMS サービスが登場する可能性を指摘する。 「原則無料のサービスに広告要素を追加するというビジネス手法を開拓する上で、Google は非常に大きな役割を果たしてきた。今後 (メディア) 市場が同じ方向に向かうとすれば、それが Apple にどう影響し、Apple がどう対処すべきかという問題において、Schmidt 氏の助言は非常に価値あるものとなりうる」と Bajarin 氏は述べた。 Apple が今すぐビジネスモデルを変更しようとしているわけではない。 しかし、いずれ自社コンテンツを無料提供する可能性を考え、インターネットに非常に大きな関心を寄せる 従来型メディア企業 が増えつつあることも事実だ。 実際、米国の音楽配給最大手のひとつ UniversalMusicGroup が、無料で広告ベースの音楽サービスを立ち上げるとの報道もある。