植物の花、枝などの成長を制御する新しい小さなたんぱく質(ペプチド)を、東京大と理化学研究所のグループと名古屋大のグループがそれぞれ見つけた。 化学物質や遺伝子組み換え技術を使わずに樹形をデザインしたり、成長速度の調整などをしたりする薬剤の開発につながる成果。11日の米科学誌サイエンス電子版に発表した。
東大と理研は、ヒャクニチソウの葉の細胞を育てた溶液中で、葉の細胞が、根から吸い上げた水分を上昇させる「道管」に成長(分化)するのを妨げる物質を発見した。この物質は、アミノ酸が12個つながっているペプチドで、葉の細胞の外に分泌されると、ホルモンのように他の細胞に働きかけ、機能の違う細胞になるのを妨げていた。 名古屋大などのチームも、別の方法で同様の12個のアミノ酸からなるペプチドを見つけた。 東大大学院の福田裕穂教授は「発見したペプチドホルモンは植物が共通して持っており、極めて低濃度で働く。農薬のように散布することで、植物の成長を人為的に制御できるようになるだろう」と話している。