パーキンソン病やアルツハイマー病などを引き起こす神経細胞死に関係するDNAの型の違い(個人差)を、理化学研究所の研究グループが特定した。 日本人に多い型は、長寿にもかかわっているとされ、病気のなりにくさ、長寿のメカニズムの解明につながりそうだ。研究成果は11日、米のオンライン版遺伝学専門誌に発表される。
研究グループは、細胞内小器官で、エネルギー生産などに関与するミトコンドリアのDNAの型と、ミトコンドリア内のカルシウムイオン濃度変化の関係を分析。約1万6000の塩基から構成されるミトコンドリアDNAの1万398番目の塩基がG型(グアニン)だとA型(アデニン)に比べ、カルシウムイオン濃度が低いことを突き止めた。 カルシウムイオン濃度は、神経細胞の生死にかかわるとされ、実際、これまでの疫学研究で、A型はアルツハイマー病、パーキンソン病などの危険を高める因子と判断されていた。 日本人はG型が7割と多く、欧米人では3割しかない。特に日本人の100歳以上の高齢者の8割はG型だった。研究を行った同研究所の加藤忠史・チームリーダーは「ミトコンドリアのカルシウム濃度と、病気のかかりやすさや長寿との関係を解明する手がかりになる」と話している。 長寿解明手がかり、ミトコンドリアDNAの個人差特定 「ミトコンドリアのイブ」仮説 30万年前アフリカ住んでいた「一人の女性」 2006-08-12 20:54:21